第45話 こんな時
デンガは、ゆっくりと向かって来た。
アランは、防御壁を張り、デンガが進めないように時間稼ぎをしてみた。
先に彼女を仕留めるか。
アランは、戦い方を変えた。
接近戦だ。
魔法が互角なら、剣術を使いながら戦わせてもらうよ。
アランは、彼女攻め立てた。
彼女は、攻撃魔法を使えず防御ばかりになった。
「うわっ。」
アランは、何かに足を取られ倒れた。
「ヨミ!良くやったわ!」
彼女が嬉々として叫んだ。
アランは、彼女の相棒と思われるミヨンドレの糸で、足を引っ張られ倒れていた。
杖で糸を切り立ち上がる。
「こいつ!」
新人ハンターくんが、矢を放つ。
「待て!」
「止めて!」
アランと彼女の声が、重なる。
矢は、ミヨンドレの頭部に刺さり、静かに倒れた。
そしてアランも膝を付く。
新人ハンターくんに放たれた、彼女の魔法は、細い光りの矢となり、新人ハンターくんの前に出た、アランの体を射抜いた。
アランは、急いで回復魔法を使おうとしたが、相棒を殺され怒り狂った彼女に襲いかかられ、壁に突き飛ばされた。
朦朧としたアランの焦点が、彼女を捉えると最早人間とは思えぬ姿になっていた。
体が、まるで怒りで膨れ上がったような姿になり、凄い勢いで、今度は、新人ハンターくんに向かう。
アランは、急いで回復魔法を使い立ち上がり、ミヨンドレと彼女を炎で巻き倒した。
彼女の悲鳴が響いた。
アランは、不意に目眩を起こし、また膝を付いた。
「大丈夫か?」
新人ハンターくんが、走って来た。
大丈夫じゃねーよ。
手をつき、四つん這いになって焦点が合うのを待つ。
「デンガが…」
新人ハンターくんが叫ぶ。
アランは、立ち上がれないでいた。
こんな時に…
アランは、目眩の他に体の痛みと戦っていた。
「お前は、休んでろ!俺達で何とかする。」
新人ハンターくんが、勢い良く前に出る。
また、お前呼ばわりかよ。
なんか腹立つなー。
しかも、俺達って、スタさんとボッサのことだろー。
休んでられねー。




