表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/133

第34話 討伐

 ハンターと魔法使いが組んで前進して行く。


 全身真っ黒でヘル種より細身な魔獣が、唸りながら徐々に前に出てくる。


「アレクサンダー、お前ならやれるぞ!」

 新人ハンターくんが、アレクサンダーを勇気づける。


「チルチル、頑張るのよ!」

 女の子ハンターも、チルチルを勇気づける。


 うーん、二人とも大丈夫かな。

 アランは、ボッサとスタンをカバンに入れようとしたが、2匹とも興奮状態でアランから逃げ回り、敵の魔獣を見ては威嚇していて、アランは諦めた。


 アランは、ギルドの依頼が雑すぎると今更ながら思った。


 早く、終わらさなければ。


 血気盛んなハンターが、矢を放ち、魔獣を仕留めると火蓋が切られた。


 魔獣が凄い勢いで走って来る。


 初級魔法使いたちが、小さな爆発を起こす。

 爆発をかいくぐり走って来る魔獣に、ヘル種が首に噛みつき地面に叩きつける。

 すぐさまハンターが、剣で止めを刺す。

 連係は上手くいっているようだ。

 ハンターたちは、双剣やら大剣やら、思い思いの武器を使いながら、相棒のヘル種と戦っている。

 間違って相棒を切らないかとひやひやするが、相棒なだけあって息ぴったりだ。



 地響きのような唸り声に、魔獣たちが下がりだした。

 どーんと地震が起こったかのような揺れは、州都に向かう途中、アランが倒した魔獣だ。


「デンガだ!」

 大きな魔獣は、デンガラーズ。

 立ち上がると4、5メートルはあり、ハンターからは、デンガと呼ばれ、出くわしたくない魔獣で有名だ。


 今度は、3体向かって来る。


「倒せるか?」

 アランは、魔法使いのリーダーに聞いた。


「殺れます!」

 リーダーの他にも、3人が前に出た。

 頼もしいな。


「手こずるなよ!」

 アランは、4人に任せた。


 真ん中をデンガが突っ切ってくる。横に逃げた魔獣が、同じように横に逃げたハンターと初級魔法使いたちを狙う。


「ビジュケルを倒せ!」

 強面こわおもてが叫ぶ。

 最初に襲ってきた魔獣だ。ヘル種より細身で、集団で狩りをし、死肉でも平気で食べる魔獣だ。


 ハンターと魔法使いたちが戦い続けるなか、アランたちのところにも、ビジュケルが襲いかかって来た。

 新人ハンターくんと女の子ハンターも、戦い始める。


 腕はまあまあ。ただ長期戦となると体力不足だ。


「前に出過ぎだ。単独になるな!」

 女の子ハンターが、ビジュケルを追いかけアランたちから、離れて行く。


 一瞬、黒い影が通りすぎる。

 悲鳴が上がり、女の子ハンターに魔獣が襲いかかる。


 また、来たのかよ。


「クヨムだ!」

 ハンターが叫ぶ!


 女の子ハンターに襲いかかったのは、あの飛ぶ魔獣だ。


 アランは、杖を出すとクヨムに向かって一振りで切り倒した。

 次々に、単独になった女の子ハンターが狙われる。

 アランとスタン、新人ハンターくんは、空からクヨム、地上はビジュケルと戦いながら、女の子ハンターを助けに行く。


「チルチル!」


 チルチルが、クヨムに足を掴まれる。

 ボッサがクヨムの足に、噛みつき、チルチルを助けようと奮闘するが、小さいボッサは振りきられてしまう。


 女の子の叫びとともに、チルチルが大空へ連れて行かれる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ