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第29話 お前とか、あんたとか。

 新人ハンターくんと一緒に馬車に乗り込み、街を出発した。


 華々しい出発ではない。

 何しろ、あのざっくりな依頼書は、街の人がパニックにならないような配慮も兼ねていた。

 中級や初級が多いので、街の人も、怖い魔獣はいない、レベルアップを兼ねた依頼書と認識されたようだ。

 だから、見送りも少ない。


 バルコニーでは、魔法協会とハンター協会の会長が喧嘩しているのを、統治者が割って入っているのが見えた。


 今さらだけど、大丈夫なの。

 意外と統治者は、魔法協会とハンター協会の仲を取り持とうとしているのかな。


 なんか、俺たち迷惑じゃねー。


 馬車の中は、意外と余裕がある。

 隣には、新人ハンターくんが座っていて、相棒のニゲル種が前にいる。


 このニゲル種は、ちょっと困った顔をしている。

 こういう顔なのかな。

 ニゲル種は、狼系の怖い顔が多い。

 ボッサもまだ子供だからなのか、ちょっと愛嬌のある顔で、怖さが半減している。

 でも、この子、もう大きいのにな。

 アランは、無意識に頭を撫でた。


「お前のニゲル種、置いてきたのか。」

 新人ハンターくんが、またお前と言っている。


「あぁ、預かって貰っている。」


「まだ、小さいからな。あぁ、それとアレクサンダーだ。」


「立派な名前だな。俺はアランだ。」


「……そうだろ。俺が名付けたんだ。」

 新人ハンターくんは、自慢気だ。


 あっ、もふもふの方ね。


 ……お前、名前負けしてるなぁ。


「よろしくな。アレクサンダー。」

 アランが、頭を撫でるとアレクサンダーは、仰向けになって腹を出している。


 ……まだ、子供だな。


 アランは、スタンとボッサがいない寂しさをアレクサンダーに向けた。

 腹を撫で撫で、脇の下こちょこちょ。人間ではないので、くすぐったいと笑ったりしないけど、気持ちよさそうだ。


 回りからクスクス笑う声がした。


「おい、情けないぞ。子供じゃないんだから。」

 新人ハンターくんに怒られると、起き上がり、さらに困った顔になったみたいだ。


「ごめんよ。うちのチビッ子どもがいないから、寂しくなっちゃって。」

 アランは、ばつが悪そうに頭を掻いた。


「あんたは、ハンターじゃないの。」

 今度は、あんた呼ばわりかよ。


 目の前にいた、新人ハンターくんと同じくらいの女の子ハンターが、年上の俺に話しかけている。


「あぁ、俺は魔法使いのアランだ。よろしく。」

 もう、アランは諦めた。呼び方なんてどうでもいい。俺も覚えないから。


「この子は、チルチルよ。」

 ……弱そうだな。


 チルチルは、パラデニア種で、白い狐のような見た目だ。


 細くて、しなやかだ。


 弱そうにみえるが、スタさん同様体が大きくなる。だが、小さくはならないらしい。


 雪山に生息する魔獣で、寒さに強い。口から冷気を吐き出し、敵を凍らせると言われている。


 アランも、まだ見たことがないが、今回見れるかもしれない。


 楽しみだな。


 アランの期待とは裏腹に、チルチルは、あまり愛想が無い魔獣だ。

 ずっとそっぼを向いている。



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