第22話 街はキラキラ
アランは、気を取り直して街の散策を再開した。
おー、なんか店がすげぇー。
こんなに必要。服屋って。
俺は、魔法でいつでも清潔。
こんなに服が必要なんて、色々大変なのね。
まぁ、あんなに楽しそうなら、大変でもないのか。
女の子が多くいる店の中で、鏡の前で強面こわおもてが帽子を被り試している。
鏡越しに、またしても軽く会釈。意外にお洒落さんなんだな。
あの人、顔で色々損しているな。
アランは、服にはまるっきり興味がなかった。
まぁ、服は買う予定ないから除外だ。
っと、隣には、ペット用品の店で、ペット用品の洋服が売っていた。
アランは、かわいいーと思ったが、スタンとボッサを見た。
「お前らは、高級毛皮があるからいいな。」
アランは、先に進む。
「なんか、店見ているだけで疲れたな。」
服、靴、鞄と続いたので、興味の無いアランは、飽きていた。
んっ、あれは!
急にアランの歩く速さが変わった。
店のショーウィンドウに張り付く。
「ケーキ屋?」
アランは、ケーキ屋を初めて見た。
アランの故郷では、パン屋がケーキを売っていたが、生クリームの無いパウンドケーキやジャムを塗ったロールケーキぐらいだった。
生クリーム!?
あんなに生クリームが……。
「心臓がバクバクするよ。何このときめき!」
入りたいけど、テラスがない。
店から出てきたお姉さんが、スタンとボッサを触っていいか聞いてきた。
「魔獣もペットも入れないけど、噴水の近くにあるテラス付きのカフェに、ケーキを卸しているから、そこでも食べれるわよ。あと持ち帰りもできるから、この子たちに、ちょっと待っててもらえればいいんだけど。」
お姉さんが親切に場所と店名を教えてくれた。
「俺、毎日ケーキ食べたい。」
アランは、思わず子供みたいなことを呟いた。
「かわいい。」
げっ、お姉さんまだいたのか。
……恥ずかしい。
今、ケーキを買う訳にはいかないので、お姉さんにまた来ますと伝えて歩きだした。
「スタさん、ボッサ毎日楽しいぞ。どうする、どうする!?」
アランは、ハイテンションで、スタンとボッサの顔を交互にムニムニした。
スタンとボッサは、何だか良くわからないが、アランのムニムニ攻撃で、気持ちよさそうにふにゃ顔をさらしていた。




