第105話 頑固者
「ただいま。」
「アラン!」
タイラーの診療所には、ポールとニーナも一緒にいた。
ふたりは、心配そうに駆け寄った。
「ただいまじゃねーよ。どうした?」
タイラーが、ソファに座ったまま呆れ顔で聞く。
「あぁ、丁度良かった。宿屋代が高く付くとなんだし、ポールとニーナを、しばらく、ここに泊めてくれないか。」
アランは、ポールとニーナだけでは、この街での生活が心配なので、タイラー達に頼みたかった。
「構わないけど、お前は?」
ラリーは、心配そうに眉間にシワを寄せている。
「しばらく、王子様の先生するから、住まいは王宮な。」
アランは、自慢気に答えてみせる。
タイラーが、立ち上がり、胸ぐら掴んでアランに顔を寄せる。
「お前、急いでジャイロに行くんじゃなかったのかよ。」
タイラーは、凄く怒っていた。
びっくりしたー、殴られるのかと思ったよ。
アランは、とりあえずホッとした。
「ちょっとだけだよ。今、彼には話し相手が必要なんだよ。」
アランは、タイラーの胸ぐらを掴む手を下げさせ、にっこり笑った。
タイラーは、拗ねたようにソファに戻った。
「えっ、行かせるの?」
ニーナは、タイラーを見た。
「頑固なんだよ、アランは。」
ラリーが、諦めた顔をしている。
「んじゃ、またな。たまに帰るよ。」
アランは、軽く手を振りながら診療所を出た。
「スタさんとボッサは、俺の相棒なんだから、王宮生活な。」
アランは、スタンとボッサを撫でると王宮に向かい歩き出した。




