表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/133

第104話 アランと王子様という子供

「おっ、お前は、シャムリを倒したことがあるか?」

 王子様という子供は、おずおずとアランに聞いた。


「あら、アランならもっと大きな魔獣を倒しているわ。なんたって特級魔法使いだもの。」

 ニーナが嬉しそうに話す。


「とっ、特級魔法使い……。」


 うーん、余計な事だぞ、ニーナ、何か面倒くさそうな展開が……。


「ふ、不届者だ。引っ捕らえろ。……城に着いたら、僕の部屋に連れて来い!」

 王子様という子供は、嬉しそうな顔を浮かべた。


 ……正直に、言えないタイプか。


 アランは、ため息をつくと、ニーナにすぐ帰るから、タイラーとラリーにもそう伝えてくれと頼んで、大人しく子供に従うことにした。





「お前を先生として、雇う事にした。有り難く思え。」

 アランは、無表情で腕を組んで立っていた。


 王子様という子供は、考えている。

「お前を先生として、雇いたい。有り難く思え。」

 アランは、顎を上げ見下してみた。


 王子様という子供は、慌て始めた。

「せっ、先生にしてやる、……よろしく頼む。」


 うーん、親が使っている言葉で正解を探しているな。

 アランは、顎に手を当て考えていた。


 更に、王子様という子供は、慌てふためき、いきなり頭を下げた。

「おっ、お願いします。……僕を、僕を強くしてください。」


 アランは、びっくりした。

 ただ単に、どうしたものかと考えていただけだったので、まさか頭を下げるとは思っていなかった。


 よっぽど、困っているのだろうか。


 ……俺のほうが、よっぽど困っているんだけど。


 アランには、あまり時間が無かった。

 最近、やたらと自分に薬草を使っていた。

 体がダルくて、辛いのだ。


 タイラーやラリーは、気づいているだろうな……。



「先生、僕は、強くならないとイケないんです。強い王様にならないと。みんなに認められないと……。」

 ……王子様って、大変だな。スタさんに言っとかないとな。間違っても王子様にならないように。


「しかし、何で俺……。」


「だって、先生は、僕に暴力をふるったでしょう。」

 王子様という子供は、嬉しそうに話す。


「止めて、人聞き悪いから……。教育の一環です。」


「あっ、はい。でも、あんなに強く怒られたの初めてだったから、きっと僕を強くしてくれるって思ったんだ。」


 はー、飢えてるなー、人間に。


 アランが下を見ると、スタンとボッサがアランの後ろに隠れるようにいる。


「触ってもいい?先生の相棒だよねー。」


 アランは、スタンを抱き上げた。

 スタンは、いつものアザとポーズではなく、顔は、そっぽを向き、手足も広げず体をよじって逃げようとしている。


 王子様という子供は、嬉しそうにスタンの背中を撫でる。


「ふわふわだね。」

 アランを見て微笑んだ。


「はい、この子は、ボッサだ。」

 アランは、片膝立ちして、ボッサを捕まえる。

 ボッサも、嫌がる仕草を見せた。

 ぎこち無いのが伝わるんだよなー。

 ララフィーを殺そうとしたし。


「僕も、ニゲル種の相棒が欲しの。……でも、お前はハンターじゃないから必要無いって父上が……。」


「……別に、ハンターじゃなくても、護衛にする人もいるらしいぞ。俺もハンターでは無いし。諦めず、ちゃんと説得しろ。」


「うん。ありがとう。僕、諦めないよ。」


「うん。良かった、良かった。さて、帰るか。」

 アランは、立ち上がる。


「何言ってるの!先生は、住み込みだよ。」


「はい、はい。」

 アランは、少しだけ協力しようと考えていた。


 時間は、あまり無いかもしれない。でも少しだけ……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ