表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/133

第103話 シャムリとボッサ

 アランとニーナは、いつの間にか話すのを止めて、森を進んでいた。



 肩に乗るスタンの毛が逆立ち始めた頃、ボッサが前に出て低い姿勢で唸り始める。

 チルチルも、ボッサの後ろに立つ。


 森の中から、シャムリの群れが現れた。

 シャムリ達は、唸りながらボッサの前に立ちはだかり、血気盛んな若いシャムリが歯を剥き出して、小さなボッサを威嚇する。

 ボッサは、低い姿勢から、小さい体を伸ばすように小さなジャンプを繰り返し、ニゲル種らしい負けん気を見せている。


 たくましくなって……、それに比べて。

「……スタさん、数で負けてるから行ってあげて。」

 アランは、スタンを肩から下ろす。


 スタンは恨めし顔で、アランを見ると、トボトボ歩いてチルチルの後ろに立つ。


「スタさん、反対、チルチルと並んで。頑張って!」


 スタンは、仕方なさそうに前に出ると、チルチルの横に立ち、シャーっと威嚇した。


 ……いや、何で子猫サイズのまま?怖くて大きくなれるの忘れてるの。


 その時、振動がアラン達を襲った。


 シャムリ達は、慌てて振動が来た逆に走り出す。

 スタンとボッサが、慌ててアランのもとに戻って来た。


「向こうだ!」

 男達の声が聞こえた直後、ハンターとは思えない小綺麗な格好の男達が、木々の間から現れた。


「どこだ!」

 高音の声が響く。

 男達が避けると、これまた更に小綺麗な格好をした10歳ぐらいの子供が、弓を持って現れた。


 ……魔獣より面倒くさそうとアランは、うんざりした顔をした。


「なんだ、そいつは!」

 甲高い子供の声が、森に響く。


 そいつって、明らかに俺を見てるよなー。腹立つわー!


「お前、シャムリを見たか?」

 子供が声高々に話す。まるで声がデカいほうが勝ちのように。


「……どっか行きましたよ。」

 アランは、つまらなそうに返事した。


「おい、何だ、その話し方は!」

 これまた大声で、子供の側の男が一歩前に出る。


 今度は、おいかよ。そいつ、お前、おい、って、てんこ盛りだな。


「かまわん、シャムリを追いかけるぞ!……ん、あれは?」

 子供は、木の枝を指差す。


「ララフィーと言う魔獣でございます。」

 さっきの大声男は、腰を折り声を和らげ話す。


 ララフィー達が、怯えてまた固まっている。


 子供が弓を構えた。



「痛っ。」

 アランは、杖を出して、弓を構えた子供の腕をはたいた。


「あれは、ギルドの討伐対象の魔獣ではありません。」

 アランは、冷たく言い放つ。


 隣りの大声男が口をパクパクさせている。


「ぼっ、僕を誰だと思っている!」

 子供が、腕を擦りながら目を見開いて、アランを見る。


「知りません。ただハンターの真似事をされるなら、ハンターの心得を学びなさい。闇雲に、命を軽視されるなどもっての外です。」

 アランは、だんだんと目が据わってきた。


「だって…、痛っ!」


「だってじゃありません。」

 アランは、今度は、杖で軽く頭を叩いた。


「きさまー!このお方は、州王様のご子息、第一王子マティス様であられるぞ!」


 来たよー、超ー面倒くせー。


 アランは、シャムリと一緒に逃げれば良かったと思って、大きくため息をついた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ