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雨と傘と彼女。

作者: オレレモン

「雨降ってきたな」


授業が終わり、先生がそう呟く。外を見るとちょうど雨が降り始めたところだ。


傘、、持ってきてない。そういえば、「午後から雨が降るから傘を持っていきなさい」って母さんが言っていたような。寝坊をして焦ってたから、話をちゃんと聞いてなかった。走って帰るしかないよなぁ。


そんなことを考えながら帰り支度をする。


「とりあえず、昇降口まで行くか」


雨に濡れる覚悟を固めきれずに教室を出ることにした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


昇降口まで来ると雨の勢いが先ほどよりも強くなっていた。


傘無いんだし、走るしかないよな。もう濡れるのはしょうがない。


靴を履き替え、濡れる覚悟を固めたところで後ろから声がした。


「せんぱ〜い、今から帰るところですか?」 


振り返ると一学年下の後輩がそこにいた。


「ああ、そうだ」

「でも、傘持ってないですよね?あっ、もしかして〜忘れちゃったんですか〜??」


ニヤニヤしながら聞いてくる。


「その通りだ」

「ちゃんと天気予報見なきゃだめですよ〜」

「いつもは見てくるんだけどな」

「どうして今日は見てこなかったんですか?」


あっ、これは分かってる顔だな。


「寝坊したんだよ」

「あははははっ!ちょっ!寝坊って!せんぱい面白すぎですっ」

「何も面白くないだろ」


あと、笑いすぎだ。


「ちなみに私はちゃんと持ってきましたよ!」


えっへんと胸を張ってくる。


「そうか。流石だな」

「私はせんぱいと違って寝坊しないでちゃんと天気予報見てきましたからね」

「・・・」


やめてくれ。寝坊したの結構恥ずかしいんだ。


「ん〜私、傘一本しかないんですよね〜あっ、そうだ!せんぱい!」

「なんだ?」

「私の傘で一緒に帰りましょう!」

「えっ!!?」 


一緒に帰る?傘一本しかないのに?!しかも女子と??!

それってつまり、、


「そうです!相合い傘しましょう!」

「っ!」


じわじわと顔が熱くなるのを感じる。


「いや、でも」

「せんぱい、走って帰るつもりだったでしょ。この雨で走って帰ったらカバンの中の物が濡れちゃいますよ」

「確かにそうだが」

「それにせんぱいがもし風邪をひいたら、私悲しいです」

「・・そうか」


確かにカバンの中身が濡れるのは困るな。それに全身びしょ濡れになるのも困る。ここは、、、提案に乗るか。


「せっかくのお誘いだし、一緒に使わせてもらおうかな。俺も入らせてもらって良いだろうか?」

「もちろん良いですよ!っていうか、私が誘ったんですから良いに決まってるじゃないですか〜」

「それもそうだが、一応な」

「せんぱいって本当にまじめですよね〜そこがせんぱいの好きなところなんですけどね〜」

「っ・・」


そんな恥ずかしいことを平然と言うなよ。


熱くなっていた顔が更に熱を帯びる。


「何してるんですか?せんぱい行きましょう」

「あっ、ああ」

「え〜っと傘は確かここに〜…あった!それじゃあ行きましょうか!」

「そしたら傘貸してくれるか?」

「いいですけど、どうしてですか?」

「入れてもらうのだから、俺が持つよ。身長のこともあるしな」

「それもそうですね。では、お願いします!」

「任された」


そう言い、傘を受け取ると雨が当たらないギリギリの位置まで行き、傘を広げる。


「じゃあ行こうか」

「はい!」


そう言い、彼女が隣に来たところで一緒に歩き始める。周りに傘を差して帰る生徒はいるが、流石に相合い傘をしてる生徒はいない。


俺たちだけ、か。


その状況がより彼女の存在を意識させ、鼓動を早くする。


「せんぱいせんぱい」

「なんだ?」

「さっきのせんぱい、かっこよかったですよ」

「さっき?」

「さっきです!傘を広げてから言ってくれたじゃないですか!「じゃあ、、行こうかっ」って!!」

「ああ、確かに言ったがそんな言い方だったか?」

「そうでしたよ〜あの時のせんぱい、本当にかっこよかったなぁ。ますます好きになっちゃいます」

「っ・・・」


彼女の言葉で鼓動が更に早くなったのが分かる。


雨の降り方が強くて良かった。じゃないときっと。。


俺はこの音が隣の彼女に聞こえてないことを祈った。




はじめまして。

短編になりますが、初めて書いた小説です。

読みにくい、分かりづらい、つまらいや日本語の使い方が変などあると思います。

徐々に成長していきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

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