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ミリロとジュラン

 トンネルを抜けると向こうには山は見えなく、後ろに山々を見た。

 「ここは?」

 「まだブルーバレだけど、ここまで来れば後1時間も歩けば抜けるところですね」

 ミリロがそう教えてくれた。

 でも後1時間も歩けそうにないので少し休めそうな場所で食事を摂ることにした。

 丸1日以上まともな食事を摂っていないので、消化に良いスープを先ず皆に作って出した。

 水や薪を確保しておいてもらってよかったと思った。ここにあるのは石や大きな岩くらいで先に確保して置かなければ空腹のまま後1時間歩くしか無かったから・・・・・。

 皆お腹を満たして落ち着いた所で此処からの道のりを尋ねた。

 「ここからどう行くの?」

 「此処からは只管1本道です!追手を巻けてなければアウトでしたね」

 ミリロが笑顔で答える。

 私は顔面蒼白になる。そんな危ない選択だったの…?みんな…知ってたみたいだね…。

 「本当に大丈夫?目的地知られて付けられたりしないよね?」

 「大丈夫!神子様は心配性だな〜」

 またしてもミリロは笑う…。

 ミリロの強心臓め!フェンリル以外のことは心配じゃないの?!


 私達は再び歩き始めブルーバレから抜けた。ブルーバレから1番近い村で1晩泊めて貰い、翌朝は早くから薪の確保と食材用に狩りをしてお世話になった家の人へとそれらを渡し村を後にした。

 「いい人が居て良かった。皆疲れてたから野営じゃきつかったもんね」

 「そうですね。しかし、善意をただ善意と不用心に信じるのはこれからは身の危険に繋がりますから、肝に銘じてください」

 ジュランから指摘を受けた。

 私は頷き、分かったと返事をした。

 人の善意を疑わなきゃいけない程私達は危険な状況にいるという事を改めて意識する。

 こんな状況で旅を続けて大丈夫なのかと思うけど、カルマさんからの手紙をちゃんと届けないと…。雨季で大変になるって分かってる時に村を出発させてもらった。頼まれた事くらいちゃんと果たさなきゃ。私は今一度覚悟を決めて歩き出す。

 みんなの顔も少し緊張している様に見える。

 此処からはジュランを先頭にミリロ、私、フェンリル、アッシャムの順で1列になり進んで行く。2列でも歩けない訳じゃないけど道幅がそこまで広くないため1列で歩くことにした。この世界には当然ガードレールなんてないからね。谷間の道は問題無かったんだけど、この道は横が斜面だったり崖の様に下に川が見えたりで危ない場所も有るから1列で歩く。

 「お主、不安ならわれの背に乗るか?」

 私は相当不安な顔をしていたのだろうか・・・・。

 「大丈夫!ちゃんと歩けるよ。それよりコハクこそ体はもう大丈夫?」

 「ああ、お主の飴のお陰でな。だいぶ戻った」

 「もっと欲しかったら言ってね。直ぐ作るし!」

 「ああ」

 フェンリルはもう大丈夫みたいだ。魔力自体は全回復はしていないみたいだけど、ほぼ戻ってるらしい。良かった。本当に安心した。

 そうこうしながら歩き続け、漸く街道と繋がる場所へ出られた。今日はここでこのまま野営をすることにした。

 「じゃ、お昼作るね!水と薪お願い。コハクはここで見張りしてて!私は水汲み手伝ってくる」

 「そうですね。ではアッシャム、フェンリル様に付き添いお願い出来ますか?」

 「分かりました」

 「ミリロと神子様で水汲みお願いします。私は薪を集めて来ます」

 私達はそれぞれに分かれ動いた。

 「アッシャムつけたのってコハクがまだ危ないから?」

 「う〜ん、神子様が言う『危ない』とは違うと思います。危ないのはそうですが、フェンリル様の体ではなく、追手の方ですね。まだ油断出来るほど引き離してはいないでしょうし」

 なるほど…。こういうところジュランとミリロは阿吽の呼吸だよね。

 「そう言えばさ、ジュランとミリロってクピト様の所で知り合ったの?」

 「どうしてですか?」

 ミリロが枝を手で押しのけながら先へ行き、私を通してくれる。

 「何となく。付き合い長いのかな〜って思って」

 「う〜ん…ま、いっか。実はジュランと私、ルハイドゥラ王国の戦争孤児なんですよ。そこで一緒だったんです」

 「そうなんだ。そっか〜。じゃ2人とももう家族はいないの?」

 「私はいないよ。一昨日話た所に引き取られたのが孤児院に入って5年くらいした頃だったかな?!私が希少種族だから上手くみんなの輪に入れずにいたらジュランが話しかけてくれたことがきっかけでいつも側にいるようになったんですよ。私が引き取られるまでいつも一緒で」

 そう言うとミリロは思い出したようにクスクス笑った。

 「どうしたの?」

 「いや、昔のジュランを思い出して…。昔も今と基本は変わらずしっかり者なんですよ。でも、初対面にはビビリというか引っ込むんですよね。なのに時間が経つとチョ〜姉さんと言うか。変わりすぎだろ!って当時思ってました。それなのに私には話しかけてくれて、ジュランが話しかけてくれてから院の他の子とも少しづつ打ち解けられる様になって。ジュランは凄いんですよ!」

 ふふっ。ミリロは見たまんまジュラン大好きだね!

 私はそんな昔話にほっこりした。

 そんな話をしながら進んで居ると川へ辿り着いた。

 「さ、水を汲んで早く帰りましょう!お腹ペコペコです」

 ミリロはやっぱりミリロだね…。

 じゃ、帰って腹ペコ軍団の為にご飯を作りますか!

 私とミリロで今日の晩の分も水を汲みアイテムボックスにしまって、来た道を戻った。

 途中木の葉の擦れる音でフェンリルの事を思い出し追手かとビクッとなったくらいで特に問題も無かった。ミリロが私を笑った事以外は・・・・・。

 「だって神子様すっごくビクってなるんだもん!面白いからしょうがないよ〜」

 ミリロ、笑いすぎ・・・・・。

誤字脱字報告宜しくお願いします。


更新がままならず申し訳ありません。

来月半ば位になれば安定的に更新出来るようになると思います。

まだまだ旅路が続き、平坦な話ばかりになりますが、この旅路が終わればタイトルにちなんだ話になる予定です。今後とも宜しくお願い致します。

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