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ディスタンス

 翌朝目を覚ましたら、フェンリルが私達を睨んでいた。

 「・・・・何?」

 「寝ている間、やけに重たいと思っただけだ」

 皆フェンリルに寄りかかった状態で寝ていた為、お腹や背中に皆の頭が乗っている…。

 そりゃ、4人も乗っかりゃ重いわな…。スミマセン…。

 私はフェンリルに謝り皆を起こした。

 「ご飯食べたら直ぐ出発する?」

 「少し休んでから出ましょうよ!」

 ミリロがすかさず返事をしてくる。

 昨日の今日だ。他の皆もミリロの意見に賛成とのこと。

 「じゃ、昼ご飯食べてから出発くらいで良いかな?」

 「そうだな。われもそのくらいの方が楽だ」

 フェンリルがそう言ったので、お昼までは各々自由に過ごし、お昼ごはんを食べてから今日の野営地を目指そうということに決まった。

 フェンリルは昼ご飯まで寝るといい、朝ごはんは以外にあっさりしたものばかりを食べていた。ステーキに出来そうな肉が少しだけ残っていたので、フェンリルにって思って焼いたんだけど、サラダとかパンを食べて寝てしまった。

 飴が欲しいと言われたけど、昨日全部出してしまったので切らしていると言ったらまた作っておいてくれと言い、寝てしまったのだ。

 「可愛そうなことしたかも・・・・」

 私がボソリと呟くとジュランがお昼までにたんまり作っておけば喜びますよ、と言ったのでお昼までは飴作りと素材に成っていない獲物を素材に変えることで時間を潰そうと決めた。

 ジュランとミリロ、アッシャムは3手に分かれて先の道を確認してくると言っていた。

 皆1人で過ごすのは初めてかもしれない。

 今までは数人ずつで行動してたから少し違和感の様な物は有ったが、それぞれやりたいことがあるならそういう日もあるさ!と割り切った。

 「あ、そうだ。もし食材になりそうなのがいたら狩ってきて欲しい」

 「分かりました。森の近くを行くのはミリロさんと僕ですから、近くにいたら狩ってきます」

 アッシャムがそう答えてくれた。

 フェンリルはスヤスヤと寝ている。起こさないようにそれぞれが散っていく。

 私はフェンリルから少し離れて、起こさない場所で獲物を素材に変え、それから昼ご飯の支度から始めた。ジュランの好きな物、ミリロの好きな物、アッシャムの好きな物。そしてフェンリルの好きな物を作ろうと思う。材料は何とかなりそうだから、冷めても美味しいミリロの好きななんちゃって生春巻き風から作ろう!当然春巻きの皮なんて手に入らないから、小麦をできる限り薄く練って火で炙って皮もどきの完成。中身はミリロの好きな鳥系の肉を蒸したものと、野菜の千切りを数種それからマヨネーズ。ジュランやアッシャムもマヨネーズは好きみたいだけど、ミリロが1番好きっぽいんだよね。喜んでくれるといいな....。そんな事を思いながら2品目は混ぜご飯。要するに混ぜ寿司みたいなもの。こっちで手に入る米酢の代わりのものや材料だから当然生魚は入れられない。だからがっつくサイコロステーキ入の混ぜご飯。これならミリロだけじゃなく皆も喜んでくれると思うんだよな。

 次はアッシャムが好きなこれもなんちゃって冷製ビシソワーズ。じゃがいもってどこの世界でも手に入る物なんだね。こっちの世界に来てから1番食べた食べ物だど思う。味もメークイーン寄りの味で、調理もしやすい。因みに塩を振ったポテトはフェンリルの大好物の1つだから後でポテトも上げる予定。

 そうしてスープを作り終えた所で一旦料理は止めにして飴を作ることにした。考えていた残りのメニューは温かいままの方が美味しい物ばかりだったから、皆が戻って来る頃を計算しながら作り始めようと思う。

 「じゃ、飴を作りますか!」

 そう気合い入れをして飴を作っていく。

 この魔力飴を考えた時は1個1個形作っていく方法で作っていたけど、皆が大量に食べると分かってからはこれだと制作が追いつかないから、千歳飴みたいにニュロ〜ンと長くして、それをハサミでカットする方法に切り替えた。そしたら同じ制作時間でも3倍以上の飴を作れるようになった。・・・・・ま、それを知ったから遠慮がなくなったのかもしれないけどね・・・・・。私は1人で苦笑いをしながら飴をどんどん作っていく。昨日は大袋3つくらいだったから、今度は10個分くらい作っておけば大丈夫かなと思い作った先からどんどん麻袋に入れ、それをアイテムボックスへ放り込んでいく。10袋程パンパンに作った所で、周りを見渡し皆の気配を探した。遠くに微かにアッシャムの頭の様なものが見えたので、アッシャムが帰ってくると思い、残りの料理を作り始めた。

 ジュランが好きな肉の蒸したものと辛口・甘口両方のソースを作る。それと唐揚げ。これは大量に作った。そしてジュランはパンも大好きなのでパンも焼く。後はフェンリルの好物をどんどん作っていく。ま、主に肉を焼いたり揚げたりしたものだからこれまで作っていたものと大差ないけど、フェンリル様にとんかつ風や焼き肉、ステーキも大量に作った。

 お陰で素材に変えたのに肉はあまり残らなかった。誰か食材確保してきてくれると良いんだけどな・・・。

 そうして作ったものを皿に盛りテーブルに出しているとアッシャムが帰ってきた。

 「ただいま。僕の方は特に問題はなさそうでした。でも魔物の出現が多いかもしれないので、避けられるなら避けたほうがいい道かもしれません」

 「そっか。ならコハクも今はこんな状態だから無理に力使わせないように別ルート探ったほうが良いかもしれないね」

 そんな話をしているとジュランが帰ってきた。ジュランは待ちに近い道を探索していたようで曇った顔で帰ってきた。

 そんなジュランを心配しているとミリロも帰ってきた。

 ジュランとミリロは2人とも驚く情報を持って帰ってきたのだった。


 「兎に角先ずご飯にしよ。皆疲れたでしょ?コハク起こすね」

 そうして寝ていたフェンリルを起こし、皆で昼ご飯を食べた。眠ったおかげで少し回復できたのかフェンリルもいつも通りガツガツとご飯を食べてくれた。うかない顔をしていたジュランも美味しそうにモリモリと食べてくれた。ミリロもアッシャムもそれぞれのために作った料理を美味しいと言って食べてくれた。皆元気になって良かった。

 「それで、ジュラン何が有ったの?」

 「・・・・・・何が有ったという訳ではないでのですが、待ちの方から荷馬車でやって来た商人達が話していた事が気になってその荷馬車を付けたのです。それで聞き取れたのが、タカシ・シラヤナギという名と倭国へのルートでした。ここから倭国まではそう易易と行けるような距離ではありません。ましてや一介の商人が行こうなどと考えるものでもないのです。しかしその商人たちは易易と行けるルートが在ると話していたのです。・・・・・・」

 「ジュラン?どうしたの?そんなルートが有ったって関わらなければ良いだけじゃないの?確かに気にはなるけど、今はカルマさんからの手紙を届けることが先。そして雨季で災害になりかねない状況にも関わらず私達のことを考えて送り出してくれた村に早く戻ることが優先でしょ?あの領主の事はまだ先の話よ」

 ジュランが私の顔とまじまじと見つめ話し出す。

 「私達が昨日まで居たあの邸がそのルートだというのです」

 「「「・・・・!!!」」」

 「やはりそうか・・・・」

 何も話そうとしなかったフェンリルがやっと口を開いた。そこからの話は私達全員の気持ちをグラつかせるには十分すぎた。そしてその所為で私達は・・・・・・。

誤字脱字報告宜しくお願いします。


あまり更新出来ずに申し訳ありません。

ちゃんと更新できるように立て直したいと思います。

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