『敵』
すみません。
気持ち的にちょっと落ちてました。
10日も更新してなくて本当にすみません。
暇つぶしにって言いながら、更新しなくちゃ暇つぶしにもならないですよね。
頑張ります。更新ない中覗いて下さってありがとうございます。
ミリロとアッシャムがフェンリルの両側に立ち、フェンリルを支えるように歩き出した。
私とジュランはその後ろをゆっくりゆっくりついて歩く。
フェンリルは森を抜けるまで歩き続けようとしていたが、私とミランとアッシャムが止めた。こんな時いつも止めてくれるジュランは無言だった。
「ここで休憩。森を抜けるまでにはまだ距離が大分ある。そんな体で無理させられない」
私がフェンリルに強く言う。その時、私とミリロとアッシャムが同じ側に並び、フェンリルとジュランが隣り合う並びになっていた。その所為か3対2で対立している様な感じがした。
そのまま暫く沈黙が続き、漸くジュランが話しだした。
「神子様や皆の気持ちも分かります。私も同じ気持ちです。しかし、今はフェンリル様の言う通りに先へ進みましょう。神子様、飴を持ってるだけ全て出して下さい」
そう言うとジュランは私の目の前に手を出した。
フェンリルに食べさせるのだろうことは予想できたけど、今は飴より食事を取らせた方が・・・と困惑気味にジュランを見た。
「神子様の飴なら大丈夫です」
そう言われ、作り置きしておいた物を全て出した。
それを出した途端にフェンリルは大量に口へ含みガリガリと食べ始めた。スナック菓子の大袋3つ程は有ろうかという量を瞬きするほどの早さで食べたフェンリルはゆっくりと、しかし確実に体が元に戻ってきていた。
「ジュラン・・・・・?」
「やはり、予想通りでした」
ジュランは自分が想像した事が正しかったというように頷きフェンリルを見た。
「ジュラン、どういう事か説明してよ」
私とミリロは理由が分からずフェンリルとジュランを交互に見ている。
アッシャムはフェンリルの変化を見て理解できたのか「なるほど....」と呟いた。
「それは後で。今は兎に角先を急ぎましょう」
ジュランにそう急かされて、結局休憩もままならず森を出ることになった。
いつもの様に走れなくとも、フェンリルを支える必要はなくなったのだ。グンと歩くスピードも上がる。
何時間歩いただろうか、皆疲れが顔にで始めた頃、漸く森を抜けることが出来た。
「やっと抜けた〜!」
疲労感のせいか、私は道端にバタリと仰向けに倒れ込み、ガッツポーズをしていた。
「神子様、はしたないですよ。それに道の真ん中で倒れ込まなくても良いではないですか!」
ジュランにそうお説教されたが、疲労でそんなのどうでも良かった。
フェンリルにベッタリとくっつき、隣に腰を落ち着けたミリロが言った。
「もう少し歩いた先に、水場がありそうです。今日はそこで休みませんか?」
「そうだね。賛成!!」
ミリロの提案に私はそう返事をし、体を起こした。ミリロはフェンリルに次いでこの中では鼻が効く。だから水場や食べれそうな茸や野草を見分けてもらう事が多かったが、水の匂い?も分かるようで川やオアシスのような所があると教えてくれる。そのミリロが水場が”もう少し先”と言ったのだ。後少し頑張ればやっとリラックス出来る。
そう思って皆で水場まで頑張って歩いた。
水場へとたどり着き、それぞれが思う場所に腰を掛け倒れるのをやっとの所で留まる。
私はもうすこし、というか今日はこのまま寝てしまいたい気持ちを抑え、皆の食事を準備する。
準備すると言っても今日は時間がかかったり、手間がかかるものは作れない。なので、残り物全部出すことにした。炒め物や、肉を焼いたもの、煮込んだものにスープなど、バライティーには富んだ食事となった。いつもより静かな夕食となった。
お腹が膨れて満足したのか、それともフェンリルにはあり得ない疲労なのか、夕食を済ませるとその場で横になり寝てしまった。
「全く〜。人を心配させておいて…」
「神子様」
私を呼ぶと頭を振るジュラン。
「ねぇ、何なの?コハクに何が有ったの?ジュランは知ってるの?」
そう矢継ぎ早に質問攻めにするとジュランは少し困った顔をした。
「心配も焦りも分かります。けど、少し落ち着いて下さい。私の話を皆も少し聞いてくれますか?」
そう言うとジュランは私達をフェンリルから少し離した場所に誘導した。そこで輪を作るように皆座った。
「フェンリル様の事ですが、私の予測では私達はフェンリル様に守られたから彼処を無傷で出られたのではないかと思ってます。フェンリル様のあの状態は私達から離されてからずっと魔力を消耗し続けていたのではと感じました。無理やり魔力を使い続けるしか無い状態に追い込まれていたと思います。それなら何故フェンリル様はそれを言わないのか?」
「そうよ!それよ!何か在ったのだろう事は私でも推察出来る。でも、何があったのかまでは分からない。ジュランの魔力を消耗し続けたっていうのも、飴を食べた後少し回復したみたいだから理解出来るけど、あの時は何でジュランが飴を食べさせようとしてたのか分からなかった。私はそれより食事を取らせた方がって思ったもの」
私はジュランの話を遮って、自分が思っていた事を話した。話しているうちに段々と感情的になってしまった。私はジュランの顔を申し訳なく見つめた。
ジュランは私に優しく微笑み頷く。
「神子様の言う通りです。私もはじめは歓待などされず虐待の様な事をされたのだと思いました。でも相手は只の人間で、フェンリル様はフェンリル属です。一撃で伸せる筈です。それなのに1晩中あんなになるまで耐えていた。それは何故なのかと考えた時、私達が彼処から出るまでの時間を稼ぐ為だったのではと思いました。だから魔力消耗を疑ったのです。体力ではフェンリル属を1晩中走らせたり戦わせたってああはなりません。言う事を聞けば私達には危害を加えないとか、安全は保証すると言うような事を言われたから従ったのでは?」
ジュランの話は皆を納得させるものだった。
アッシャムに於いては概ねジュランと同じ考えだった様だ。ただ一点を除いては…。
それは消耗扠せられたのではなく、限界以上に吸い取られたのでは?!というものだった。
その考えにはジュランも驚愕していた。しかし、アッシャムの考えを聞いて「そうですね、そうかも知れません」と考えを巡らせているようだった。
どちらにしても赦せる話ではない。
「『敵』って認識で間違いないってことだよね」
私の言葉に皆頷いてくれる。
ずっとフェンリルを思って泣きそうな顔をしながら話を聞いていたミリロは怒りを滲ませて話す。
「感情に任せて失敗するより、耐えて何倍にもして仕返ししてやりましょうよ!生きて地獄を見せてやりたい…」
気持ちは皆同じだった。
後はフェンリルがいつ話してくれて、いつ聞けるのかだった。
その晩は皆フェンリルに寄り添って眠りについた。
誤字脱字報告宜しくお願いします。




