表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/178

ファルカス帝国入国

 私達は今度こそ順調に進み、今回の野営からファスカル帝国の国境を超え、帝国内の街の近くで野営した。今朝は野営した街の近くのギルドで地図を手に入れ、進路を確定しようとなっている。着るものも帝国の物に変えた方が良いだろうとこの街で買うことになっている。

 「さ、朝ごはん食べよ!」

 私は5人分の食事をテーブル代わりの庭石の上に置き、朝食の準備をする。

 皆はその石の周りに座り込みそれぞれ食べ始める。何となく会話もなく皆黙々と食べ続けるけど、重い空気は無い。皆思い思いに楽しそうに食べている。ミリロとフェンリルは相変わらず誰にも負けまい・取られまいとガツガツ食べている。

 私はなにげにこの時間が好きだったりする。元の世界ではあり得なかった時間。誰かと一緒に御飯を食べる時間。

 「神子様、今日はギルドに行きますから、私とミリロのみの従者となります。フェンリル様とアッシャムはこの場で次の野営地へ向けての準備で残りますから。そのおつもりで居て下さい」

 「フェンリルは分かるけど、アッシャムはやっぱり・・・・・」

 「ええ、念の為です。あくまで念の為」

 「そうだね。他国だし、何があるか分からないからね。コハクは頼んだよ。アッシャムも遠慮しないで危ない時はコハクを頼ってね」

 居残りの2人を見て、留守を頼んだ。

 フェンリルはいつも通り”ツン”とし、アッシャムは笑って頷いている。

 片付けを済ませると2班に分かれた。

 私はジュランとミリロと共に街へ入りギルドへと向かう。今回の野営地は水場が近くに無かったから、フェンリルとアッシャムには水の確保をお願いした。街に入る私達が確保してもいいんだろうけど、飲水を外へ持ち出すのをどの街もあまりいい顔しないんだよね。それに水の確保が深刻な街だったりすると物資の確保の妨害を受けたりするから。水は森や川を見つけてそこで確保するようにしている。水の確保が難しい野営地ばかりを進まなきゃいけない時はコンビニがこの世界にも在れば良いのになんてことを考えちゃったりするよ。いつでも美味しい飲めるお水が手に入るって幸せなことだったんだね・・・・・。は〜…。

 そんな事を考えながらジュランの言う通りに進みギルドへと到着。中へ入ると帝国だからなのか、全身鎧姿の騎士風の人が何人か居た。

 私はその人達を避けながら受け付けに行き、帝国内の簡易の地図がないか尋ねた。

 「あの、先ずギルドカードを提示していただいていいですか?」

 受付の女性にそう言われ、私とジュラン、ミリロはそれぞれにギルドカードを提示する。

 「なるほど、皆さん他国から来られているのですね。すみませんが、ギルドといえど帝国内の地図はお渡しできないのです。帝国とギルドとの取り決めで10年以上前からそうなっていて・・・・・」

 「そうなんですね。ミネノアに居る私の恩師の知人を尋ねるように、ついでに温泉でも入って休みでも取れって言われて来たのですが、ミネノアまでの道のりを教えてもらうことは・・・・・・?」

 「ああ、ミネノアなら国壁づたいに連峰を目指せばたどり着けるはずです。結構距離が在るので、その道を辿っていただくのが1番迷わないルートだと思いますよ。それまでの街や村にはギルドも多く在るので、旅で困ったことが在ればご相談下さい」

 私は受付の女性に礼をいい立ち去ろうとしたのだけど、ジュランとミリロがその女性の前に立った。

 「貴方、今地図を必要としている私達に地図を渡せないと言っておきながら、他所でギルドを頼れとはどの様な理屈なのでしょうか?私には理解できないのですが」

 ジュランが女性に対し凄んだ。女性はジュランの威圧にたじろぐが、全身鎧姿の騎士風の人が助け舟に入る。

 「エルフの姉さん、それがここの決まりなんだ。他所から来て納得できないのも分かるけど、郷に入りては何とやらだ。その嬢ちゃんに凄んだってしょうがないことだぜ」

 私はその鎧姿の騎士風の男性が言った言葉が気になった。郷に入りては・・・・。多分この世界にそんな言い回しはない。私の知る諺だ。でもなんでこの世界の人が?

 私は疑問と同じくら恐怖も感じた。あの男は今も捕まっているはず。捕まっていなくてもあの男の出身はアメリカだ。アメリカにそんな諺はなかったはずだ。そうなるとどうしてもタカシ・シラヤナギの影がちらつく。あの男の話ではまだ生きている可能性があるのだ。何を考えているかわからない。

 私はジュランを見た。ジュランが全身鎧姿の騎士風男性を睨んでいる。

 この国に入ったばかりで争いは拙い。ミリロに視線で合図する。するとミリロは頷きジュランをカウンターから少しずつ離していく。私はそのジュランに「流石に拙い」と耳打ちし、受付の女性に礼を言って、全身鎧姿の男性にも申し訳ないと一言いい、ギルドを後にした。ギルドを出るとジュランが憤慨していた。

 「どうしたの?ジュランが怒るようなこと有った?地図はしょうがないよ。戦争が興れば重要な情報源になる。今帝国はいろいろな国から狙われているんでしょ?今回の措置は理解できる対処法だよ」

 「そうではないのです。あのギルド、おかしいです。国の定めでギルドがその国の言い分に従うことはあります。基本的にはギルドは国を超えた機関になるため所在地の国のいうことでも従う理由はないのですが、神子様が言われたような戦争状態や何か国の存亡を揺るがす事態に陥っている時はギルドも国に従うことがあります。基本は冒険者ギルドは冒険者を商業ギルドは商人の活動を守ることを最優先としますが、そもそも命が危ないという状況の時、その状況に陥るのが確定の時は国から人を逃がすことが在るのです。そんな時に国内のギルドの対応がギルド事に違ったらどうなりますか?」

 確かにジュランの言う通りだ。そんな事をしたら余計な混乱を生み、助けられるものも助けられなくなるどころか、ギルドが見殺しにする自体にも繋がりかねない。

 「そうか、あの受付の人が言っていた事は矛盾するんだ。他所から来た人間だからって、嘘教えられたのかな?」

 私がジュランの言った言葉の意味を理解してそう返すと、以外にもミリロが言い返してきた。

 「確定は出来ないと思います。鎧の騎士風情の男が大勢居たのが気になりますし、あの女性は本当の事を言いたくても言えなかったのかもしれない。どちらにしろ、国壁づたいに進むのはもう少し情報を得てからの方が良いと思います。フェンリル様に頼んで、少し情報を得てみます」

 最近ミリロがとっても頼もしい。ジュランばかりに負担が行っていたこと気にしてたけど、ミリロが頼りになればいい感じに分散出来るかも。

 私はミリロの提案に頷き、ジュランはジュランで出来ることをすると言うので、それぞれに任せた。

 ギルドの話が済んだ後は、予定通りこの国の衣類を手に入れに店を回った。今まで通りの服でも問題ないんだろうけど、街に馴染んだほうが少しでも安全に旅が出来るとジュランとアッシャムが言うから、服を随分買い込むことになった。結構な出費になったけど、必要経費と割り切ることにした。

 

 

誤字脱字報告宜しくお願いします。


昨日はすみませんでした。更新の予告はしていなかったのですが、盆休みで毎日更新していたので、覗いてくれた方も居ると思います。

1日寝てました。ひたすら寝てました。

本当にすみませんでした。

今日は頑張って更新したいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ