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珠子の休息

 私は男を睨み続けていた。男はずっとニタニタしていた。気持ち悪っ!

 「初代領主を見つけたってどういう事?この世界なら何百年も前の人でしょ?生きているわけ無い」

 「フフフ、アハハハハハ・・・・・・。貴方はまだこの世界に来たばかり。だから分からないのでしょう。この世界と我々の元の世界とでは流れている時のスビードが違う。私がこちらに来たのは30年以上前です。私が貴方にはいくつくらいの人間に見えますか?」

 「?年を聞いているの?30代後半から40といった所に見えるけど・・・・」

 「ええ、私がこの世界に召喚されたのは37歳の時。それから30年以上の時がこの世界では流れているのに私の姿は貴方が言うように召喚された当時と大差ない。これがどういう事か分かりますか?」

 さっぱり分かりません!

 そう思う私を他所にフェンリル達は何かを察したようだった。私はフェンリルとミリロを見る。

 「どのくらいの差が有るのかは分からぬが、30年以上経っても身体的な老いが無いなら、われ等の様な長命種並に長生きすることが可能と言うことだろう。ハイエルフは長命種だがそもそも種族の総数が少ない。人間ほど数はいない。だが、人間が長命種になれば神をも滅ぼすことが可能かもしれん」

 私はフェンリルの説明にフェンリルを凝視する。

 「あくまでも可能性の話だ。そうなると決まったわけではない」

 当たり前だよ!こんな気色の悪い男に世界を支配されてたまるかってーの!それに、この世界の神は私の親だ。失いたくない。私は再び男を睨む。

 「やはりフェンリル。神の眷属ともなれる種族。賢いな。どうだ?私と組まないか?この世界はお前たちフェンリルには狭く生きづらい世界だろう?俺が自由にしてやる」

 何を偉そうに!フェンリルは私と契約しているの!渡してなるものですか!!

 そう思ったら頭の上空右にはウォーターボールが左にはファイアーボールが発動していた。

 私は思いもしない状況に驚くが、ミリロが「落ち着いて下さい」と耳打ちしてくれてその2つは消えた。しかし私達が不利という状況は何も変わっていない。ジュランとアッシャムを取り返さないことには、どんどん追い込まれていってしまう。どうすればいい?考えれば考えるほど出口がなくなっていくようだ。焦る私とは対象的に冷静な4人。それを知らず1人焦る私。その様子を高みの見物でもするように嘲笑う男。時代劇なのか現代ドラマか知らないけど、私1人だけどんどん追い込まれている気がする。頭が茹で上がりそうなほど知恵熱でクラクラしてきた頃、遠くのほうで誰かの声が聞こえた気がした。私はそのまま倒れ込み意識を失った。


 目が覚めると何処かの部屋の天井を見つめていた。

 「う・・・・ぅん。ここは・・・・・」

 そう呻きながら片腕を付いて上半身を少し起こすとバタバタとそばへ来る足音が近づく。

 「神子様、大丈夫ですか?分かりますか?」

 声のする方へ視線をやる。

 ジュランの顔が私の目に映る。

 あ〜、ジュラン、無事だったんだ・・・・。

 そう何となく思ったらまた力が抜けて倒れた。

 私はそのまま翌朝まで寝てしまい、起きてからあの後起こった事の顛末を聞いた。

 ジュランやミリロだけじゃなくアッシャムもめちゃくちゃ心配してくれたみたいで、申し訳なかった。フェンリルは「あそこで倒れるか?」って呆れてた。

 だって、追い詰められていて考えが浮かばなくて、考えつくことは最悪のシナリオしかなかったんだもん。

 「そもそも、なんで皆あの状況であの男を倒せたの?倒したんだよね?」

 「ええ。あの男の商会は倭国の後ろ盾を得ていると随分前から色々な国から警戒されていたのです。この街の初代領主が絡んでいるとは流石に思いもしませんでしたが」

 ジュランの話を聞いて益々混乱する。

 キルトの街の初代領主は私と同じ日本人の召喚者であの男もアメリカの召喚者。

 あ、でも初代領主も日本人であっても召喚されたのはアメリカだ!土地と土地が繋がってるってことか?いや、これだけで決めつけるのは駄目だ。それよりも初代領主とあの男の狙いだ。

 「あの男と初代領主が繋がってたって事は、初代領主があの男を召喚したてこと?」

 「それはまだ分かりません。命までは取りませんでしたので、あの商会が捜査されれば何れ分かる事もありましょう。それよりも今はお休み下さい」

 ジュランはそう言うと私を横にならせ、布団を掛けた。部屋を見ればミリロもフェンリルもいた。2人とも私を見て笑っていた。

 アッシャムは足元で私を覗き込んで今だに心配そうな顔をしていた。

 今日はゆっくり休ませてもらって、明日また聞けば良いや。そう思ったらまたぐっすりと眠ってしまった。寝る子は育つから良いということにしておこう。

 皆、おやすみ.......。

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