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枝話⑤

本編を書くつもりでしたが、1ヶ月以上続きを掛けなかったこの話を書き、更新することにしました。

本編にも関わりのある内容ですが、一旦は枝話としました。お読み頂ければ嬉しいです。

 これは前創造神と当時の愛の神とのお話です。


 「愛の神クピトよ、他の神達の動きを知っているか?」

 「詳しくはわかりません。でも大方のことは予測が付きます。向こうにはアポロン神も付いているかもしれません。そうなればこの話も・・・・・」

 「・・・・・そうか、アポロンが・・・・・」

 創造神と愛の神がそう話していた頃・・・。

 「アポロン神は引き入れられなかったんですか?」

 そうアレス神に詰め寄っているのは女神アストレア。アレスは創造神と愛の神の仲の良さを憂いていた。戦好きであったアレス神は愛の神の力が強いこの世界が好きではなかった。創造神が作ったもう1つの世界は各地で争いの起こる世界だった。其の為アレス神を信仰する者も多くいた。しかし、この世界にはそういった争いを起こす国は極端に少なかった。争いを起こす国は尽く滅亡していた為、それも争いが少ない要因でも有った。愛の神の力が強く働いていたことがその原因だと考えたアレス神は創造神と愛の神を引き離そうと考えた。そう、ただ引き離せればよかったのだ。まさか創造神を葬り去ることが奴らの目的だったとは考えても居なかった。初めから奴らはそれが目的だったのだ。己の愚かさを呪った時にはもう遅かった。しかし、創造神と愛の神クピトは世界の安寧を願い、あることを行った。

 次の世代へ自分たちの力を繋いだのだ。その結晶が無垢神となりうる珠子だった。

 無垢神とはその世界を掌握する力を持つ唯一の神であり、必ず存在する神ではない。その為その世界の力の均衡は崩れやすく、崩壊しやすい世界とも言える。しかし無垢神は世界を崩壊させる神ではなく、繁栄の神とされるのだ。なら何故無垢神が現れた世界は崩壊しやすい世界となるのか?崩壊しやすい世界で何故繁栄の神とされるのか?

 それは無垢神が誕生する原因にあるといわれる。

 無垢神は神であり、神ではない存在。それは、命あるものの願いの塊のようなものである。その為世界を掌握する力を持ち、崩壊させる力を持つ。

 世界を変えたいと思う力が強くなれば無垢神を生み、続く世界を望めば無垢神は生まれない。

 今回はそれを願ったのが創造神と愛の神だったのだ。当人達にしてみれば思いもよらないことだったろう。無垢神自体が幸せを手に入れることは難しい。それは、願いが叶い力が弱まれば、無垢神は自然消滅する。故に珠子もこの世界、現創造神の願いが叶えば消滅する。生命体というより、巨大な力の根源だと捉えるべきかもしれない。

 創造神の消滅を目論む神達がいなければ、誰かがこの事態を収拾出来ていたなら、珠子がこの世に生まれる事はなかっただろう。

 アレス神は創造神と愛の神との間に特別な繋がりを感じ、破壊による新たな創造が生まれないことを危惧していた。新たな創造は創造神の力にかわる。

 アレス神もまた創造神を尊敬し慕っていたのだ。そのための愚行。悔やまれてならないし、良いように他を巻き込み利用しようとした連中に憤りを感じる。其の者達には適切に神罰が下ることを願うは神を信じる人の心なのだろうか・・・・。


 アレス神の元を尋ねて居た正義の神アストレアは、この計画を企てた首謀者の元へと向かった。

 計画の変更、若しくは計画其のものの中止・棄却を申し出るためだった。首謀者はアストレアよりは上の位になる。そんな者へ異議申し立てなどすれば自身の身もどうなるか分からない。しかし、それをしてでも今回のことは今更でも止めた方が良いと思ったのだ。

 しかし、アストレア程度の神の言う事を上の者が聞き入れるわけもなく、アストレアは仕方なく従うしか無かった。時が過ぎたことを知った時には神であろうとも止めることも戻すことも出来ないということだろう。後悔した所で、己が撒いた種である。何れ刈り取らなければならない時がやって来ることに気付くべきだったのだろう。神が過去を悔やんだ所で歯車は回り続ける。その時が来るまで・・・・・。


 「愛の神クピトよ、吾のような愚かな神によくぞ付いてきてくれた。後のことはすまぬが託す。我らの子の事も本当になんと詫びればいいか・・・・。クピト、お主は愛の神だ。辛いことを押し付けるが頼んだぞ。お主に愛の力を与えたことは吾の役割の中で最大の賢明な判断だった」

 愛の神に創造神として、神々の中立の立場として、最大の愛の告白で有ったことは間違いないだろう。それが愛の神にもしっかりと伝わった。だから、自身がその後創造神として祀り上げられた時も異論を申さず従った。自分の最愛の人を殺した相手であっても。愛する人が願った願いを叶えるため。新たな創造神として命あるものが安らかに過ごせる地を目指してその力の全てを注いだ。その一方で手放さなければならなかった我が子を思う事も止められなかった。神として間違っていても我が子の平穏を、幸せを願ってしまうのは神といえども親なのだろう・・・・・・。その心がその願いが、いつか珠子を救うことを信じて....。

誤字脱字報告宜しくお願いします。

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