進むべき道、強い決意
「夕飯までは時間ありますよ!」
早めに買い物を止めて引き上げてしまったためミリロはまだ街に繰り出したいらしい。
「われが付き合おう。われもまだ手に入れたいものがあるのだ。この街に在ることは分かっている」
「ピーナッツバターだけじゃなかったんだ」
私が思わずそう言うとフェンリルは”フンッ”とそっぽを向いた。
何手に入れるつもりだ〜?嫌な予感がする・・・。
ジュランがしょうがないですね〜と街歩きを認めてしまった。その言葉を聞いて2人は勢いよく部屋を飛び出していった。
残された私とジュランは顔を見合わせて笑ってしまった。
「あの2人似てるよね」
「そうですね。フフフ」
私は夕飯まで何をしようかと思ったが、今日手に入れた物を整理することにした。
「あ、そう言えば宿代・・・・」
「大丈夫ですよ。もう払ってますから」
「いや、個人の費用じゃなから、私が預かっている中から出すよ。それが本来だから」
「良いですよ。私もミリロも特にお金を使うこともないですし、それに食材のお金は神子様が全部出しているじゃないですか。このくらい大丈夫です」
ジュランはそう言って微笑んで部屋を出ていった。
ジュランには本当にいろいろなものを背負わせて申し訳ないと思う。私がもっとしっかりしていれば・・・・・・。
「頼りっぱなしで申し訳ないな・・・・」
私はそう思いながらこの街で手に入れた物をアイテムボックスから出した。
先ずは味噌、これは田楽や味噌汁他にも色々皆に味わって欲しい。次は山葵。あの店で見つけて近くに居た店員さんに尋ねてみたら、不定期だけれどもたまに入ってくる物だと教えてくれた。日本で栽培されているようなものではなくて、天然で森の澄んだ水場で取れるらしい。しかし、その森は強力な魔物の出現が多いらしく、冒険者が取ってきたものがたまに入荷するだけだと言われた。採取の以来を出しても依頼料が高くないため、魔物刈りに入った冒険者がたまたま見つけたものを採取して直接店に持ち込むらしい。だからいつ入ってくるか分からないけど、アレば売れるものらしい。日本食材が売れるのは初代領主の所為かと思ったけど、違うらしい。初代領主が現れる前からこの地のものらしい。そうか、そうなら味噌だけ売れない理由が分からないもんね。
「・・・・・?ま、明日でいいか!」
私は少し引っかかることが有ったが、明日確認することにした。
そんな事をしている間に夕飯の時間になったようで何処かに行っていたジュランが私を呼びに来てくれた。ジュランに付いて食事処へと行く。そこにはいつの間に戻ったのかミリロとフェンリルがスタンバっていた。2人が居る席に着く。
私は料理を持ってきてくれた宿屋の人に聞いた。
「あの、従魔もここへ入って良いんですか?」
「はい、大丈夫ですよ。お客さんは最上階のお客様ですよね。この時間は最上階のお客様の貸し切りの時間なんですよ」
なるほど、だから長毛種の魔物や動物も入れるって事か・・・・。
「お主、われの抜け毛の事を気にしたのだろう。われの毛は早々抜けぬ。失礼なことを申すな」
へ〜。そうなんだ。時々ブラッシングした時結構抜けてるイメージだったんだけどね・・・・・・。
宿の料理は本当に美味しくて作り方を教えて欲しいと頼んだら、呆気なく教えてもらえた。気に入ったならこの街に来たらまたうちを使って下さい!だって。よっ、商人魂!ありがたくレシピをいくつか頂いた。旅の間に作って皆に食べてもらおう。
そうして美味しい夕食に皆で舌鼓を打ちながら話も弾み楽しい時間を過ごせた。
部屋へ戻り私達3人は大浴場へと向かった。フェンリルはもう寝ると、敷物が引いてある所で寝そべってしまった。
「じゃ、私達はお風呂行ってくるからね。おやすみ」
私がそう声を掛けると雑に尻尾で合図してきた。
従魔って何なんだろうね・・・・。
大浴場へときて、湯船に浸かる。
「こんな施設がある宿とは珍しいですね。それも初代領主の案なんでしょうね」
「そうなの?」
「ええ。初代領主が湯に浸かる習慣をこの地に持ち込んだと言われています」
流石日本人。私は湯船に浸かることなんて無かったからこうしてのんびりと温まれるのは有り難い。
湯船に溶けそうにとろけていると、ミリロが後ろから抱きついてきた。
「神子様良い体つきしてますよね〜」
「・・・・・ミリロ、女同士でも胸を揉むのはやめようか」
「!!!ミリロ!神子様に向かってなんてことを・・・・ずるいじゃないですか」
・・・・・ジュランさん?!
私はこれ以上襲われる前にさっさとお風呂から出た。でも、その後をジュランが付いてきて、結局一緒に着替えをして、休憩場に在るイスに腰掛けた。
「神子様、あのお店で買われた味噌についてですが、あの後確認しに行ったら、店主が知っていることを話してくれました」
あ、居なくなったのって・・・・・。本当にお世話になります。
「ありがとう、何か聞けた?」
「はい。神子様が1番気にしているだろう事を聞けました。結論から申し上げればあの店にあの味噌を打った商人と初代領主は分かりませんでした。わからないというのは、関係ないも関係在るも確証が無いためです。商人の後ろ盾かもしれませんし。その商人ですが、この地の最西端の国のものらしいです。神子様、行かれてみたいですか?」
私は考えたが、素直に答えることにした。
「うん。いずれは行ってみたい。その国ってどんな国なの?」
「神子様が召喚されたテントーレ王国も紛争が比較的多い国ですが、それよりも戦争が多い国と言われています」
その言葉に私は答えた言葉を取り消したかった。私一人ならそこで巻き込まれようと自業自得だけど、皆は関係ない。またウジウジしていると、ジュランが話を続けた。
「でも、そうですね。神子様は行くべきだと思います。我々が付いてますから。必ずお守りします!その国は・・・・倭国と名乗っているのです。それも600年前から突然に」
ジュランからの話で私の気持ちは更に強くなった。タカシ・シラヤナギと関係在るかは分からない。でも、日本人と関係在ることは間違いない。今回の旅が終わったら、皆と話し合って必ず皆と行こうと心に決めた。
誤字脱字報告宜しくお願いします。




