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テントーレ王国の決定事項

新幹線の中でちょこっと書けたので…。

明日から日曜日迄では2回更新出来るように頑張ります!(不安しか無いけど…)

 「陛下、女神の意向…如何致しましょうか?」

 女神の神託の翌日、国王の間にて―。

 「無視するわけにもいかぬ。かと言って我が愛息にあのような者を娶らせるのもあまりにも残酷過ぎる…」 「ローグラ侯爵よ、何か妙案は無いものか…」

 国王の問いに、ローグラ侯爵は言葉をつまらせる。ローグラ侯爵の立場としては、国王には逆らいたくない。とはいえども女神の意向を無視する事など出来る筈もなく…。いかにして国王の問いに答えるべきか、言葉が浮かばないのだった。ローグラ侯爵は女神の言葉を思い出していた。そこで思い付いた!

 「陛下、恐れながら申し上げます。女神の言葉を覚えて居られますか?」

 「は? 儂もそこまで耄碌してはおらん!異世界から来た者に魔力操作を学ばせよだったか」

 「正確には、魔法を使えないのは異世界から来た者全員です。魔力の正しい操作を学ばせなさい、というもの」

 「だから何なのだ!儂の申した通りだ。何が違うのだ!」

 王様の言葉に怒気がこもる。

 「陛下、正確に思い出す事が重要だった為、申し上げた次第です」

 「…だから、それがどうしたと言うのだっ!!!」

 ローグラ侯爵は片膝を着き、胸の前で腕をかかげる。頭を垂れ、恐れながらと言葉を続ける。

 「魔法が使えないのが全員と申しただけで、その者全員に魔力操作を学ばせよ、とは申していないのです!」

 国王はローグラ侯爵の言葉の真意が理解出来ずにいた。そんなものは、ただの言い回しのせいで、女神の意思は全員に魔力操作を学ばせよと言うことだろう。そんな揚げ足取りの様な事をしたら、女神からどんな神罰が下るか。

 「ローグラ侯爵よ、そんな事をしたらお主この国ならず、我々王族もどうなるか分かっておるのか?」

 「陛下、そこなのです。何故女神は正しく全員に魔力操作を学ばせよと言わなかったのでしょうか?」

 「…、だから、只の言葉の綾だろ」

 「いえ陛下、我々の思っている通りだとしたら、あの者達の中に、魔法が使える様になると女神が困る者が居るのでは無いかと推察致しました」

 「?! どういうことだ!」

 「詳しく知ることは神の意向です。我々人間が推し量れるものでは無いでしょう。しかし、この推察間違っていなかったとしたら、如何でしょうか? 卑しくも神に恩を売れる事になりませんか?」

 ローグラ侯爵の言葉に国王は上気した。愛息を救えるだけではなく、神に恩を売れるのだ。その後、神の加護を如何様にも受けることが出来るだろう。

 「ローグラ侯爵よ、急ぎ異世界から来た者を詳しく調べよ!それにより、この国に留まらせる者、精霊の森へ捨て置く者を選別せよ!」

 「はは〜、国王の仰せのままに!」

 そう言うと、ローグラ侯爵は後ろ下がりながら踵を返し国内の間を出た。


 女性大部屋では―。

 「美和〜、マチャ〜、綾香ちゃん、本当に無事で良かった~。でも、昨日何で4人だけ呼ばれたんだろうね? 本当に何も言われなかったの?」

 3人にそう聞いたのは知里だった。甘ったれた声で、ぶりっ子全開だ。その横で心配そうに立っている加純もまた何か尋ねたそうだった。

 早織、文子、文代は少し距離を置いてその様子を伺っていた。

 その時、扉がパタンと閉まる音がした。

 担任のあつ子が戻ってきたのだった。

 「先生〜、男子どうでしたか? 何か変わったことは無かったですか? 皆無事ですか〜?」

 知里があつ子の下に駆け寄る。こいつのぶりっ子は力や権力、人気が在りそうな者全てに対して発動する。ある意味、立派なスキルだ。

 「知里さんは本当に優しいね。自分よりも友達を心配して」

 「そんな〜、当たり前のことですよ〜! だって大切な人達ですから(ニコッ)」

 お〜、ご立派!(だったら、あんたから離れてる奴が居るのは何でかな?)

 「男の子達は皆無事だったわ。食事もこちらと同じ物が出されてるみたいね。でも、あちらでもやはり情報は無いみたい…」

 あつ子のその言葉に部屋のみんなが気を落とした。

 誰もが思った事。これから自分達がどうなるのか、何よりも知りたい事だった。その情報が何も得られないのだ。心配も度を超えると恐怖になり、それも超えると人は感情を上手く識別できなくなる様だ。複雑とは違う、今自分が何を強く感じているのか、恐怖したら良いのか、心配すれば良いのか、怒れば良いのか。

 皆一様に目線が定まらない様に、どこを見れば良いのか分からずに居た。暫くの沈黙の後、口を開いたのは知里だった。

 「あの~先生〜、別部屋の子達はどうなんですか? それは教えては貰えないんですか?」

 「…」

 「先生〜」

 「知里さん、心配なのは貴方だけじゃないのよ。他の人の事ももう少し考えて。ね。」

 「え〜、私考えてます!皆んなだって知りたいはずです。何で教えてもらえないんですか?」

 その知里の言葉に全員が沈黙した。


 その頃ローグラ侯爵は、鑑定が出来るブルンドル辺境伯と共に一人部屋から細かな鑑定が秘密裏に行われていた。

 「中村雄介殿ですね。この度我が国へ突然のお呼び立て誠に申し訳なく、何か不自由等御座いませんかな?」

 「僕達は元の世界に戻れるんですか?」

 「やはり皆様気になるのはそこですか。召喚術というものそのものがそうそう行われるものでは有りません。召喚術師は確かにこの国にもおりますが、契約した獣魔を呼び出すもの。我々のいる世界とは異なる世界が存在することも異端なら、その世界から人が召喚される事もまた異端。その異端に縋ってでもこの国を護ろうと行った事ゆえ、召喚された者を元に戻す術を知るものはこの国には残念ながらおりません。…、しかしながら、他国には知るものが居るやも。現在他国へ訴状を出し、探しているところです。故に、今暫くお時間を頂きたく…」

 ローグラ侯爵の言い分に落胆したが、「分かりました」と言うほかないと、訪問を受けたものは皆納得した振りをするしか無かった。

 中村雄介の言葉を聞き、失礼と部屋を後にするローグラ侯爵とブルンドル辺境伯。

 2人は廊下で何やら密談を始めて―。

 「ブルンドル辺境伯、如何かな?」

 「かなりのスキルです。そもそも聖騎士のスキル自体珍しく、今すぐにでも戦に出られそうなステータス値。しかし、女神が困る様な特質したものは見当たりません」

 「そうか、先程の魔導師スキルの男もそんな感じだったな。そうなると残るは女の方だな。急ぐぞ」

 「はっ」

誤字脱字報告宜しくお願いします。


下手くそな文章を読んで頂きありがとうございます。

こんな話でも見てくださっている方が居るということが、こんなにも嬉しいものだとは思いませんでした。

継続して読んで頂いてる方がいるかはまだ分かりませんが、それでも覗いて頂けるだけでも有り難いです。

 引き続き、デブは聖女になれないんですか?を宜しくお願い致します。

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