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フェンリルとの新たな関係

 「昨日のドラゴンの解体は出来たからそれはいいんだけど、調味料とかが少なくなってきたからできるだけ早く大きな街に入りたいんだけど・・・・」

 「なら、キルトの町はどうですか?ウェザーリアン程ではないですが、貿易の街なのでタイミングが良ければウェザーリアンよりいいものに出会えるかもしれませんよ」

 ジュランがそう教えてくれた。キルトか・・・・・。知らない街に入るのは不安があるけど、ジュランのお薦めみたいだしいいかも・・・・・。

 「そうですね。キルトならフェンリル様も入れるでしょうし、いいと思います」

 私が返事をする前にミリロがそう教えてくれた。

 「え?フェンリルも入れる街なの?」

 「ああ、人間の街でも従魔契約をしている魔物は入れる所があるのだ」

 従魔契約・・・・・。

 私はフェンリルと従魔契約はしていない。する必要性を感じていないので、今後もするつもりはない。それは前契約者だったであろう現創造神の事があるからだ。フェンリルも現創造神を今でも信じて繋がっているように感じていたからだ。前に会った時にそう感じた。少しの寂しさとフェンリルにもそういう相手がいたことの安心感があった。だから今は何よりも自由でいてほしくて契約は端から頭になかった。

 「フェンリルは・・・・・どうしたいの?」

 私は心に思ったことを言葉にしていた。

 フェンリルの尻尾がふさふさと揺れている。

 「どうしたいとはどういうことだ」

 「いや、だって前は創造神と契約していたんでしょ?だったら他の人と契約するの嫌じゃない?!自由で居たいでしょ」

 フェンリルは私の顔を見てため息を1つつき、穏やかに答えた。

 「クピトと契約したことはない。そもそも神とは従魔契約などできぬ。クピトの側にいたのも言い分に従ったことも、ただオーテン神の謀略から逃れるためだ。われはあやつのことは嫌っていたしな。しかし、あやつに従わざる負えない事情がその時にはあった。それからわれを救ってくれたのがクピトだったこともあって側に居ただけのこと。ただそれだけだ」

 「だったら尚更従魔契約なんて嫌でしょ?」

 私とフェンリルとのやり取りを黙って聞いているジュランとミリロも不穏な空気を感じたのか少しソワソワしだしている。

 「われはお主となら従魔契約しても構わぬ」

 その言葉に私はやっと顔を上げた。フェンリルと困ったような悲しそうな顔をしたジュランとミリロ。

 「いいの?本当にそれでいいの?確かに街には入れるようになるのかもしれないけど、すべての街にじゃない。入れない街の方が圧倒的に多いみたいだし・・・・」

 「構わぬ。そう言っているだろう。お主と共に旅をするのは楽しいしな。それに美味いものを食える。われだけでは魔物を狩っても皮を剥いで生肉を食うくらいだ。それよりもお主が作ったものが食いたい」

 ハハハハ・・・・・なにそれ!

 でも、嬉しい。単純にうれしい。

 「分かった。しよう。契約!」

 そうして私とフェンリルは改めて従魔契約を結んだ。

 どこかそうなることを望んでいたようで、そうならないで欲しいと思っていたような気もする。でも、今フェンリルと新たな関係が出来上がって、新たなつながりが出来てうれしい。

 「神子様、良かったですね。私たちも安心しました。神子様とフェンリル様が契約なされていないと知った時から、どうしようかと思っていましたが、漸く……」

 ジュランがそう言ってくれる。ミリロも笑顔でこちらを見ている。

 「うん、ありがとう。これからも宜しくね。取り合えずご飯にしようか・・・・・」

 私がそういうと3人ともより一層笑顔になった。

 ふふ・・・。この食いしん坊’sメ。

 「そうだ。昨日飯の前に出された菓子だが、2つなかったか?われ等1つしか食ってない。飯ができるまでそれが食いたい。寄こせ!」

 あ~、ホットケーキだけで満足したわけじゃなくて、あの後すぐにステーキ出したもんね。だから食べなかったんだ。ステーキ焼いて肉団子もステーキ食べている間に出来たからだしたらバクバク食べてたもんね。なるほど、それで残したんだ。いざという時のつなぎに使おうと思ってたけど・・・・。はいはい、出しますよ!

 私はしょうがないので、フルーツポンチを3人の前に出した。どんぶり並みの大きさの器が1人分だからちょっとはお腹も膨れるでしょう。その間に私は残っていた食材から、直ぐに出来そうなものを作って出した。ま、卵とかは明らかに3人分には足りなさそうだったから朝からブラックドラゴンの肉でカツを揚げた。私はカツ用にパン粉にしなかったパンを焼いて朝食にした。

 本当にこの3人の胃袋どうなってるのというくらい丈夫。私はひそかに3人の胃袋をアイアンストマッチと呼ぶことにした。

誤字脱字報告よろしくお願いします。

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