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オーテント神という神についてとその消滅

 見上げたリザードマン神様と目が合う。

 「吾はリザードマンではなく、クロコダイルとのハーフドラゴン種だ」

 「・・・・え? 神様って最初っから神様じゃ無いんですか?」

 「ん? そうか、ま〜ガンドがそこまで話すわけもないか。いいだろう。この世界のこと、神のこと、そしてお主のことを少し話してやろう」

 そう言うと神様はドシッとその場に腰をおろし、胡座をかいて座った。

 フェンリルは相変わらずそっぽ向いて寝ている。


 今から数千年の昔、創造神がこの世界を想像して直ぐのこと、当時の神達が反乱を起こしたらしい。

 いつもであれば世界の創造と同時に神も創造神が作り出すのだが、この世界はもう1つの別世界を創造神が繋げてしまった為、神達が過酷な状況に置かれ反乱を起こしたということだった。

 しかし、創造神を無き者にすれば自分たちも消えてしまうため、愛の力を授かった神が創造神として祭り上げられてしまったということ。

 その後元の創造神は消滅させられ、愛の神様が創造神となって2つの世界を司っていると言うことらしい。創造神が消滅しても新たな創造神がいれば世界の消滅は防ぐことが出来るらしい。

 そこで問題となるのが誰が創造神と成るかだった。話し合いという勝手な決定で愛の神が創造神にされてしまったのだが、これには他の神からの妬みなどもあったと言う。それは愛の神が創造神と近しい関係にあったからだ。神に性別は存在しないらしい。ならば何故女神などが存在するのか? それは神も子を産めるらしい。(へぇ〜....。)神はどうやって子を作るのかと言うと、互いの手を合わせて互いの力を混ぜ合わせるらしい。それで子がその場に誕生するとの事。

 ”その場で生まれるってこと?”

 「そうだ。神は力の象徴のようなものだ。人の世界では神は信仰の対象なだけだが、そこにいるガンドのような魔物達に取っては神とはただ、力を持っただけの存在だ。だから人以外は神を恐れるものは居ない」

 「恐れない。ま〜フェンリルとか強い魔物はそうでしょうが....」

 「う〜ん…どう説明すれば良いか......」

 「われらのような魔物は神が居ることは知っているが、神が何もしないことも知っている。それこそ、加護を与えたりなどあっても、人同士が争いを起こしても神が仲裁に入ったりしないだろう。そういうことだ」

 「??????」

 私はこの世界に来て、アホの子になったようだ。フェンリルが言ったことが理解できなかった。

 「だから、神は地上を見守りはするが、どうこうすることはしない。要するにわれら自身に何かすることは無いということだ」

 「あ〜、成る程ね....? 私.....」

 神様は私の頭を撫でて言ってくれた。

 「あの国の王族、貴族に手を貸し、お主を亡き者にしようとしたあの女神には重い罰を下さなければならない。其の為には珠子、お主を守る必要がある。だからフェンリルと従者に頼みこの地へ赴かせた」

 そっか。神様私を守ろうとしてくれたんだ。

 「フンッ。何が守ろうだ。この巫女から消されたくなかったからであろう。見え透いた嘘を申すな。神ともあろう存在で恥ずかしくないのか?!」

 「ガンドには分からぬこと。吾ら神には守らなければならないものが多くあるのだ」

 「なら何故われにこの地を滅ぼさせた。壊滅する前に何故われを止めなかった。われを消すくらいたやすく出来たであろう」

 「ガンド、お主には感謝している。だからこうして神殿へ招いた」

 フェンリルは牙をむき出しにし、神に敵対感情を向けている。

 どういう事? フェンリルは神の使い魔じゃ無いの? なのに何故争ってるの?

 「ちょっとフェンリル! 落ち着いて。なんで神様威嚇してるのよ!?」

 「お主は黙っておれ! これはわれと此奴との問題だ!!」

 「フェンリル! 御座り!」

 私がそう言うとフェンリルは何かに押し付けられたように床に伏せた。

 「ハッハハ〜。ガンドよ良い様だな。このまま落ち着いて話し合おうではないか」

 神様を見た。悪いやつがする顔をしていた。正義はフェンリル! 私の直感はそう告げていた。

 私はフェンリルと神との間に割って入った。

 「神様、なんとなくなんですが、フェンリルが正しくて、神様が間違っていると直感的にそう感じるんですが、どうなんですか?」

 「流石わ神子だな。創造神と愛の神との子よ」

 神のその言葉に私は驚く。未だ床に伏せたままのフェンリルを見る。フェンリルが悔しそうに顔を歪めている。それだけで私には十分だった。

 神は敵。

 「フェンリル、今の私に何が出来る?」

 "神消滅と言えば眼の前の神は消滅するはずだ。しかし、消滅しなかった場合、お主の元の世界の神かこの世界の創造神が消滅するかもしれない。こればかりはやってみなければ分からない。すまん”

 私の頭の中に直接フェンリルの声が聞こえる。フェンリルに視線を送ると、これが念視だと教えてくれた。私はその念視を使って、フェンリルに聞いた。

 ”この神の正式な名前って? 固有名詞みたいなの”

 ”オーテントだ”

 「オーテント消滅」

 私はフェンリルから教えてもらった通りにやってみた。すると眼の前のハーフドラゴンだど息巻いた生物はパソコンのドットが崩壊するように少しずつバラバラと崩壊して消えていった。

 「な、何故だ。何故神である吾が・・・・・」

 「悪いことするやつが神様なんて認める世の中はありません!」

 あんな奴神だなんて認めてやるもんか! それまで神だって言ってた自分を過去に戻って殴りたい気分だった。

 最後の一粒迄消滅すると、神殿だったはずの建物も無くなっていた。

 「この神殿そのものでもあったからな」

 「あ〜、神って力だみたいなこと言ってたね。その力で神殿を作ってたからって事?」

 「ま、そのようなものだな。ほれ、あそこに2人が縛られておるぞ」

 フェンリルが鼻先で指した方向を見た。すると、ジュランとミリロが縄で縛られていた。

 「ジュラン、ミリロ〜!! なんでそんなことになってるの?」

 慌ててジュランとミリロの元へ駆け寄る。

 「神子様、申し訳ありません。オーテント如きに捕まってしまうとは......」

 私がまた頭を左右に振り振り考えていると、のそりと歩いて来たフェンリルが教えてくれた。

 「お主等、愛の神の使いだな?」

 ジュランとミリロの縄を解いてあげて、立たせるとジュランが笑顔で答えた。

 「はい。私とミリロは愛の神、クピド様から使わされた使者にございます」

 そう言うと、ジュランとミリロは私に片膝を付き忠誠を誓うような姿勢になり、恭しく言った。

 「この身朽ちる最後まで神子様にお使えさせて頂きます」

 「ええええええ〜〜〜〜????? どゆこと?」

 「お主は.....、そのままの意だ。此奴等はこの世界を生み出した真の創造神と愛の神との間に出来たお主を守りに来た従者と言うことだ。お主等は愛の神に依頼されてこの地へ詣ったのであろう」

 「すべてお見通しでございましたか、流石わ愛の神眷属のフェンリル様」

 また、私置いてけぼり・・・・・。

 「あの、あの、私にも分かるように説明を、始めっからお願いできますか?」

 みんなして溜息つくこと無いじゃん.....。

 「ここはもう危ない。安全な場所へ移動したら話してやろう」

 フェンリルがそう言ってくれたので、それに従ってみんなでこの地を離れた。

 私は今まで通りフェンリルの背に乗り、ジュランとミリロはその両隣を飛んで移動した。

 私達が神殿が蜃気楼で見えたくらいの地まで来ると、神殿が有った場所は何も無くなっていた。

 そう、言葉通り、真っ白というか、なんというか、錯覚でもしてるのかっていうくらい真っ白だった。光のせいなのか何も無いからなのかは分からないが、無になっていた。

誤字脱字報告宜しくお願いします。

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