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ジャイアントピーコックを食べたら唐揚げが食べたくなった

 フェンリルに言われるまま私達3人は後をついて行った。ジャイアントピーコックが見える位置まで来たら、木の陰に隠れて獲物を確認する。

 「ジャイアントピーコックが12体ですか・・・」 

 エルフのジュランが言った。

 「流石に全部って言うと数でこちらが振りになるんじゃ無いですか?」

 今度は獣人のミリロが言った。

 「フンッ。ジャイアントピーコック如きこの娘1人でも大丈夫だ」

 フェンリルのその言葉に私が驚く。

 「えっ? また私1人で倒すの? 手伝ってくれないの? 私あの鳥に殺されるかもしれないよ…?」

 「同情を引こうとしても無駄だ。この2人もお主が聖女であることを知っているようだ」

 フェンリルから以外なことを言われ又しても驚く。

 「早くいけ!! 先を急ぐのだぞ。もたもたするな! あんなデカイだけの能無し恐るるに足らずだ」

 そう言うとフェンリルは前脚で私の背中を押しジャイアントピーコックの前へ押し出した。

 あ〜、死亡フラグ此処だったか....。

 そんな事を思ったが、1体のジャイアントピーコックと目があったら・・・・素材になった。

 何で? さっきのディーブランブルでは出来なかった。それなのに今回は何もせず、目があっただけで素材になった。私は訳がわからず後ろを見た。フェンリルは特段驚く事なく平然としていたが、女性陣2人は後退りしながら恐れているような表情を浮かべている。これ、私に恐れているんだろうな...。胸がちょこっとだけチクっとする。カムイに出会えて、ハイエルフに受け入れてもらえて、フェンリルとこうして一緒にいる。ジュランともミリロとも仲間になれたと思っていた。それが、現実はこんなもんなんだなと思った。私だって何でこんなことになるのか分かってないのに、恐怖しないで欲しい。ま、無理な話なんだろうけど......。そこからは開き直ってどんどん素材に変えていった。もうヤケクソ。

 ジャイアントピーコックの素材は肉と脚、そして鶏冠だった。鶏冠なんか役に立つのだろうか?

 「・・・・お〜、鶏冠が手に入ったんですね。結構高額で買い取ってもらえますよ」

 そう教えてくれたのは、獣人のミリロだった。

 もう顔に恐怖は見えない。

 「そうなんですか? 何に使えるんですか?」

 「心臓発作などの症状に効く薬の材料になるそうですよ。私も聞いただけなので詳しくは分かりませんが、売りに出されると薬師ギルドが毎回高額で買い取る聞いたことがあります」

 ミリロが教えてくれた。

 肉は部位ごとに切り分けられていて、使いやすそうだった。内臓も処理された状態で素材になっていた。内臓処理はかなり面倒だから有り難かった。

 「今日の夕飯は胸肉を使ってさっぱりした物でも繕うか!!」

 私がそう言うと、フェンリルは嬉々として尻尾をフリフリそうだなと答えた。美味しいものを作ってあげよう。何を作ろうか考えていたら、フェンリルの涎を見てメニューを決めた。

 「よだれ鶏を作ろう」

 幸い料理酒や酢・ラー油に代わる物がこの世界にもあったので、問題なく作れる。素材を全て回収し森を出ることにした。

 朝いた場所へ戻るのだとばかり思っていたら、ジュランが街を越えた先にいい風が吹く草原があると教えてくれた。それを聞いたフェンリルもそこへ行こうと言った。今晩の野営もそこですれば良いだろうとなった。そう決まったら皆は荷物をまとめ、木の陰に隠していたザックを持ち、ミリロは槍を手にする。

 「そんな武器持ってたんだ」

 私がそう聞いたら、ミリロは照れたように笑っていた。獣人は旅路ですれ違った人を見ても同じだったように種族関係なく筋肉質で鍛え上げられたような体格をしている。だから初めてミリロを見た時は男の人?って雰囲気だったけど、今はまさに女の子って感じ。かわいい。

 「何をしている。さっさと行くぞ。腹が減ったぞ」 

 フェンリルが私達を急かすようにそう言った。

 ジュランが笑いながら、まぁまぁって言って弓と矢を筒のような入れ物に入れ、肩に掛けた。皆準備が出来フェンリルに付いて森を出る。その途中何でか分からないけど、ブラックドラゴンらしき素材が落ちていた。剥がれ落ちた鱗とかじゃ無くて、肉も牙も血も全部素材に変わっていた。

 「いや〜、自分でも怖いわ....。」

 ボソッと呟いた言葉にフェンリルはプルプル震えながら笑っていた。

 ”コイツも素材に変えられるかな?”

 そう心で思っていたら、フェンリルが突然私の隣でおすわりしてた。何となく手を出したらお手してきた。これ、素材に出来るみたいだな。うん、最後の手段に取っておこう。私は心のなかでガッツポーズした。フェンリルは耳が垂れしょんぼりしてた。いつも余計なことしないでそうやってしてればモフモフのかわいいワンコなのに。

 「フェンリルです........」


 ブラックドラゴンの素材も回収して、草原へ向かって走っている。ジュランとミリロはというと....飛んでます。フェンリルの後ろを付いてくるようにビューンと。そうして街の外壁の周りを走り、街を越えると草原が見えてきた。

 草原に到着すると、ジュランが教えてくれた通り気持ちのいい風が吹いていた。

 「本当に気持ちいいね」

 皆で草原に吹く風に当たり一休みする。

 「じゃ、私は食事の用意をするから、皆は野営の準備お願いします」

 此処へ着くまでに役割を決めておいた。食事は私が作り、その他はそれぞれ分担していこうとなった。

 石を積み鍋やフライパンを置けるようにして、その中央で木を燃やし鍋を掛ける。

 胸肉を蒸して、蒸してる間に垂れを混ぜて作っておく。胸肉が蒸せたら一口サイズに切って垂れを掛けて出来上がり。私は食べられればオッケーな人なので、料理研究家の様な手の込んだ物は作らない。簡単お手軽料理のみ!!

 出来上がったものを皿に取り分け、テーブル代わりに用意された石の上に皿を置く。

 「美味そうだな」

 フェンリルが尻尾をブンブン振って涎を垂らしている。ジュランとミリロもよだれ鶏をガン見している。

 「さ、食べよ」

 そう促し、皆で夕飯にした。

 鶏むね肉を食べたからなのか、唐揚げが無性に食べたくなってきた。今度は唐揚げ作ってあげよう。よだれ鶏も美味しそうに食べてくれているから、きっと気に入ってくれるだろう。

 そうしてその晩は草原で夜を明かした。

誤字脱字報告宜しくお願いします。


日曜日の分とは別で・・・・。

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