安堵と困惑
ドラゴン2体を倒し、私達はその場で夜を明かした。
皆疲労困憊で、ご飯も食べずに眠った。
日も大分高くなって、皆少しずつ起き出した。
私はこちらの世界に来て初めて寝坊をした。元の世界でも、こちらの世界に来てからもずっと早寝早起きだった。そうで無いと誰に何を言われるか分からなかったから、自然と習慣付いたものだった。しかし昨夜は遅くまでドラゴンと戦い、何度も治癒魔法を使ったので余程疲れていたのだろうか。日が昇っても中々起きられなかった。起きたのはお昼前だった。
私はカムイはにおはようと声を掛け、目をこすりながら起き上がる。
「んん? はっはっはっはっはっ…そうか、なる程な〜」
「カムイ?」
「いや、何でも無い」
? 変なカムイ。
私は村の皆の元へと向った。カムイはデカいからその場から動けば木々がなぎ倒されて、森が破壊されるので”ステイ”状態だ。カムイのご飯も貰って来よう。
「・・・・・?!」
村の皆の元へと来たら、皆に同じ反応をされた。
昨日から皆、ヒドイ…。
「誰?」
戦士の女性ハイエルフからそう言われた。
本気でヒドイ…、泣きそう…。
「珠子ですケド…、何故ですか?」
「「「「「?????」」」」」
「「「「「えーっ!!!!!」」」」」
皆に同じ様に驚かれた。
ハイエルフの女性戦士の1人が水魔法で作った壁の様なものに映った私を見せてくれた。
「・・・・・、誰、これ?」
その女性戦士が答える。
「珠子でしょ? あなた珠子じゃ無いの?」
いや、私は確かに珠子ですケド…いや、あの水鏡みたいなのに映ったのは私じゃ無いでしょ〜!?
皆のやり取りが聞こえていたのか、木々の上からカムイがニュ〜っと頭を出し、楽しそうに教えくれた。
「珠子は昨日、大量の魔力を消費した。そもそも、出会ってからの珠子の食事量を見ても、決して太る様な量は食べていない。隠れて食べていれば分からんがな」そう言うとペロっと舌を出した。「そうなると、珠子が太っていたのは別な事が原因の可能性がある。珠子は皆が魔力操作を教えるまで、自分が魔法が使える事が分かっていなかった。それが原因である可能性は十分あった。そして昨日、皆やわれに大量の治癒魔法を掛け、魔力を大量に体外に放出したため、体内でたまり続けた魔力が体を上手く巡るようになったのだろう。それによって、不必要に溜め込まれたエネルギーが使われ痩せたのではないかと思う。ま、仮説の1つに過ぎんがな」
カムイはそう教えてくれた。
じゃ、やっぱりあの水鏡の人物って、わ・た・し?
カムイの説明に私のお目々はキラキラして、皆に期待の眼差しを向ける。その視線に皆苦笑ぎみ…。
え?! いいじゃん!人生で初なんだもん、こんなに可愛くなったの…。
ちょっと下を向いて、皆の反応に落ち込んで居ると、水鏡みたいなもの出してくれた女性が、もう一度水鏡をやってくれた。私の腕を引っ張ってその前に立たせる。うんと頷き存分にと言ってくれているようだ。では、お言葉に甘えて…。
いや〜ん、私まあまあ可愛くな〜い?
今までの鬱憤を晴らすように、いい加減にしろと言われるまで自画自賛しまくった。
いや〜、それにしても私けっこう可愛いじゃん!!
カムイがこれには呆れてた…。凄い冷たい目してたもん。
いいじゃん別に…。誰からも可愛いなんて言われたことを無いんだから。
私がうだうだくだらない事をしている間に、皆は私が素材に変えてしまったドラゴンを、手分けしてアイテムボックスに入れ帰り支度をしていた。
そのドラゴンはどうするのかと聞いたら、肉は村で消費して、残りの素材は必要なものだけ残し、商人ギルドや冒険者ギルドに買い取って貰うらしい。
いつもは全て買い取りに出すらしいが、今回はきれいに素材に分かれているため、村で欲しかったものを先に取り必要ないものを買い取りに出す事にしたらしい。ギルドに解体を頼んで、欲しい物だけ後で引き取りに来るのが面倒だかららしい…。もったいない。
でも今回は確保したかった素材がほぼ手に入ったとの事で皆喜んでた。よかった。
ちょっとは恩返し出来てたら良いな。
行きは1日半で追い付いたが、帰りは2日以上掛けて帰った。人数が増えたこともあるが、ドラゴンとの戦いで負った傷や疲労が完全に回復しているわけではない。村に帰って数日はのんびり休んだほうがいい人ばかりだったので、無理をせずゆっくり帰ることにした。夕飯にはドラゴンの肉で、ハイエルフの村特製メシを作ってもらった。美味しかった〜。
そんな楽しい日々を過ごし村に到着して4日目の朝、カムイは一旦森に帰ると言って村を離れた。
私は引き続きハイエルフの村で魔力操作と魔法を学ぶ事になった。
誤字脱字報告宜しくお願い致します。
経過日数が少しおかしいかもなので、前の話で日にちがあるものは少し訂正しましたが、時間経過に違和感あれば、併せて報告宜しくお願い致します。




