表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/178

エレノエラ、謀反?!

 皇子様達は街に向かわした騎士達がまた戻って来るまでその場を動かなかった。ガレと中村くんは草原と村の境に立ち、夜通し見張りをするつもりらしい。

 「神子様、どれ程の騎士がこちらへ向かってくれるのか分からない状況です。我々も加勢した方が良いかと・・・・・」

 「そうだね。皆で順番に見張りをしよう。・・・・それと1つ・・・・・・」

 私は懸念事項をジュランに伝えるとジュランもそれに同意してくれて、ミリロにそれを伝え使いに出してくれた。

 「ミリロを使いに出したのか?」

 フェンリルがそう聞いてくる。

 「うん。それが1番良い人選だと思ったんだよ」

 「確かに・・・・しかし気になることもある。われもミリロを追いかけるとする」

 そう言うとフェンリルは颯爽と掛けていった。

 「コハク、何が気になるんだろう。ミリロは面識あるんだよね?」

 「神子様、我々がこの村へたどり着く迄の道のりを思い出して下さい。あの場所でルブル族は我々に気付いていました。しかし素知らぬ顔をしたのです。私も気にはなりましたが、ミリロ以外の者で適任者が思い浮かびませんでした。だからミリロを向かわせたのですが、争いごとが嫌いと言ってもルブル族が弱いわけでは無いのです。むしろ冒険者ランクで表せば大人は大抵の者がSランクになるでしょう。子供でもBランク以下と言うことは無いと思います」

 驚愕の事実だった。何となく弱いから争いを好まないとばかり思い込んでいた。

 ・・・・・・・!?そうか、だからフェンリルがいた私達にも排除する姿勢は見せなかったんだ。あの場所は謂わばルブル族の縄張りみたいなもの。そこを堂々と断りもなく通ったのにあの時争いにならなかったのは自分たちの方が強いと判断したから!3人もSランクが居れば相当戦えるだろう。だからあの時は見逃してくれたと言うことか!?

 そもそも見知った顔が居れば懐かしさなどで声くらいかけるだろう。それすらも無かったとすれば今のルブル族とミリロは初対面も同然となるという事!そんな人達の所へ昔の顔見知りだろうという事だけでミリロを危険に曝す事を頼んでしまった。フェンリルがそれに気付きミリロを追いかけてくれたことにホッとしたと共に感謝した。

 帰ってきたら労って上げよう。そうして謝罪と感謝をちゃんと伝えよう。そんな事を考えているとエレノエラさんが家から出てきて食事にしましょうと言った。

 「だって皆疲れているだろうし、お腹空いたでしょ?あれだけの魔物を狩ってきたんだもの。お腹いっぱい食べてゆっくり休んで。今日の見張りは村の男手がやってくれるわ」

 そう言ってガレと中村くんも家へと招き入れた。

 皇子様は「部下が戻って来るまでここで待ちます」と庭先で待っていた。私達は仕方なく先に夕食を取ることにした。エレノエラさんが作ってくれた料理はどれも美味しくて皆で完食してしまった。疲れていて、満腹になったからなのか皆その場で寝てしまった。気付いたら朝だった。


 「う”〜ん・・・・。ん。。。朝?・・・・・朝!!??」

 私は驚いて飛び起きた。取り敢えず近くにいたジュランとアッシャムを揺り起こす。

 「ジュラン!アッシャム!起きて!」

 そう大きな声で揺すり続けたら漸く起きてくれた。ジュランもアッシャムも寝覚めはそれほど悪くないはずだ。それなのに2人ともまだ眠そうにしている。これがミリロだったら疑わなかったかも・・・・。中村くんとガレはまだ寝ていた。2人の側へ行き2人も揺すりながら大声で名前を呼ぶ。そうしたらやっと起きてくれた。

 「ん・・・・日聖?・・・・どうした?ふぁ〜」

 欠伸をしながら中村くんが私に問いかける。

 どうしたじゃないよ!

 「皇子様は?他の騎士達は?私達食事をして直ぐに眠っちゃったんだよ!」

 そう話すと即体が反応するように立ち上がり周囲を警戒する。この辺は日々の訓練の賜物だろう。

 ガレとの連携もバッチリだ。それがこんな間抜けな状況でなければ・・・・・。

 「何故・・・・・」

 私はガレの呟きに言いたくないことを口にするしか無かった。

 「エレノエラさんがいない・・・・・。昨日の食事は全部エレノエラさんが用意してくれた物。疑いたくは無いけど・・・・・・」

 ガレはエレノエラさんの姿を探す。私が言った通りにエレノエラさんが居ないことを確認すると、苦虫を噛み潰した様な苦悶の表情で吐き捨てた。

 「何故今更・・・・・・」

 その言葉にジュランが反応する。

 「やはりハイエルフの村で聞いた噂は本当だったのですね?」

 「僕も噂程度のことしか知りません。でもこの状況噂が本当のことだったとしか・・・・」

 そこでガレはハタと周囲を見渡す。そして中村くんの両肩を掴み強く揺さぶる。

 「皇子は?!皇子は何処に行った!」

 「ガレ・・・・落ち着いて・・・・痛い!」

 中村くんはガレの手を振り解き距離を取る。

 「俺達が目を覚ました時には既に居なかったよ。いつから居ないのかも分からない。この状況で単独で捜索することは危険と判断した。・・・・間違ってたか?」

 中村くんの穏やかな問いかけにガレも漸く落ち着いたようで首を横に振る。

 「いや、間違っていない。正しいよ。この事を早く皇帝陛下伝えないとな・・・・」

 そう言ったところで2人は又しても苦虫を噛み潰した様な顔になる。

 それを察してかアッシャムが2人に声を掛けた。

 「僕がお手伝いします。危険ですが邸から出て始めに野営をした場所まで飛びましょう。珠子様、申し訳有りませんが、大量に魔力飴を用意して頂けますか?」

 どうやらアッシャムも皇子様同様に魔法を使って移動するようだ。大量の魔力消費が予想できるから、魔力飴を要求してきたのだろう。私はその要求に応じて魔力飴を大量に作り出した。3時間程掛かったが、1部屋分くらいの飴が作れた。アッシャムのアイテムボックスに入るだけ入れたが半分以上残った。それは私のアイテムボックスにしまうことにした。

 これは要るな、アイテムバック・・・・。

 「急いで作ったからいつもほど粘度は無いと思って使ってね。いつも通りと思って使えば何が起きるかわからないから、多めに取るつもりで!」

 そうアッシャムにアドバイスをして3人を送り出した。私とジュランは家中を捜索することにした。何か手懸りがあれば念視を使ってやり取り出来るらしく、それぞれの役割分担を決めた。

 アッシャムは2人と共に皇子様を探し出し、連れ戻すこと。それとエレノエラさんや他の犯人も捜索すること。

 私とジュランはエレノエラさんの建てた計画や書き残したメモがあればそれを手懸りに居場所の特定。それからルブル族へと向かわせた2人を待って合流し、アッシャムたちに追いつく事にした。

誤字脱字報告よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ