中村雄介、再び登場
会話文が多くて、スミマセン・・・・・。
日が傾く頃にはエレノエラさんは晩御飯の準備を整え、テーブルに並べるだけになっていた。
エレノエラさんが用意してくれた晩御飯のメニューはホーホー鳥の煮込みとホエールバングの甘塩焼きそれとコーンスープにヒリヒリ麺だった。
ホーホー鳥は大陸全土に生息しており、渡り鳥の習性も持つが家族単位で気に入った塒を見つけるとそのまま住み着き渡り鳥の習性は無くなるというちょっと変わった鳥だった。この辺にも複数の家族が塒を持つようで、時々男衆が狩りに出かけていくそうだ。
ホエールバングは元の世界で言うクジラ。クジラは食べたこと無いから少し尻込みしたんだけど、ミリロとアッシャムが出てきた時に目を輝かせて食べていたから私も食べてみたら今までの人生損をしていたかもと思えるほど美味しかった。ヒリヒリ麺はピリ辛ラーメンに似ている。汁なし担々麺とはちょっと違うけど、見た目は一番近いかも。でも、麺自体が辛く食べていると舌がピリピリしてきて、口の中がずっとヒリヒリしている。だからヒリヒリ麺って言うらしいけど、甘みというかコクと言うかふわっとし香りというか、嫌じゃない旨味みたいなものがずっと有るからこれはこれで癖になるかも・・・・。フェンリルは匂いを嗅いでヒリヒリ麺は一口も食べなかったよ。美味しいのに!
「それで何から聞きたい?何から話せば良いかしら?」
エレノエラさんが食事をしながら私達に聞いてきた。皆一斉に動かしていた手が止まりその状態で静止する。録画を停止したみたいになった。誰が話し始めるのか伺う事すら忘れているように一時停止中。
私から聞かなきゃと思えど思考も停止中。聞きたかったこと、確認しておきたいこと山程あれどピクリとも動けない。
「あら、皆どうしちゃったの?氷漬けにされたみたいに固まってるわよ。フェンリルまで固まっちゃった」
そう言ってエレノエラさんがフェンリルの頬をツンツンする。そこで漸くフェンリルが動き皆も少しづつ動いた。コマ送りみたいに・・・・。皆の動きがぎこちない・・・・・。
「昨夜は随分と遅かった。何処へ行っていたのだ?」
「あら、そんな聞き方をされると恋人にヤキモチ焼かれているみたいね!」
そう言ってエレノエラさんはケラケラ笑っている。
「なっ、わ、われはそんなつもりでは聞いてはおらぬ」
「分かってるわ。昨日の晩は皇子達が泊まる宿へ行っていたの。あなた達のこれまでの道中の事を聞きにね」
「私達の道中?」
「そうよ!あなた達、あのシラヤナギとか言うキルトの領主に追われていたんじゃない?」
私は驚き再びエレノエラさんを見たまま動きが止まる。エレノエラさんには追手が居たことなんて話していない。それどころか、何でタカシ・シラヤナギの事を知っているの?疑問が湧いては次の疑問で打ち消されていく、そんな事を頭の中で繰り返している。
「カルマが手紙をくれていたのよ。そこであなた達にもし何かあればブルーバレを通ってそこへたどり着くだろう。そしたら助けになってやってほしいって」
カルマさんが・・・・・。こうなることが分かっていた?
「カルマさん・・・は・・・」
「あら、カルマが危惧していたのは貴女の魔力のことだったみたいだけどね。貴女、タイフーンの適性があるのね。そうなると今きな臭くなってる国は多いから、捕まったら確実に戦争に駆り出されるわね」
そう言ってエレノエラさんが私を見つめる。
タイフーン・・・・・あ〜そうか、タイフーン・・・・。タイフーンの使い手は戦争・・・・ジュランからだっけ、誰かから確かに聞いた記憶がある。私は神の子、それも有って膨大な魔力を持っている。タイフーンが使えて膨大な魔力が有って、戦争か・・・・。
私はエレノエラさんの言葉に力を失い、俯き視線が外れる。またタイフーン。そして戦争・・・・。
「何で争うのっ・・・・」
小さな呟きにその場が静まり返る。
俯いたままでいると、誰かが頭を撫でてくれた。
「貴女も戦争嫌いなのね。私達も大嫌いよ」
エレノエラさんだった。顔を上げた私を抱きしめる。そして言った。
「戦争なんてさせない。そのために皇帝は動いている。貴女の力も貸してほしい。皇帝に会った時にそう言われなかった?」
そんなこと言われて・・・・・言われたか?
「働かないかって言われた気がする。それって・・・・・」
「多分それが戦争を止めようという誘いだったのだと思うわ」
「いや、わからないです」
「ま〜あの人回りくどい言い方好きだから!」
いや、好きだからじゃなくて・・・・あ、そうか〜、あの場にはアイツが居たんだー!
そうか、だからはっきりと言えるわけ無いか。私は自分が嫌なものを止めようと必死になってくれている人の誘いを断ったんだ。
「チャンスが有るなら協力したいです。でも、それってあの男にバレると拙いんですよね?」
エレノエラさんを見つめて私が聞くと、エレノエラさんは驚く事をなんでもないように教えてくれた。
「そうね、いろいろな国に戦争させようとしているのはあの、領主だからね!」
その言葉にはジュランもアッシャムもフェンリルもミリロもエレノエラさんを見た。
「あの元領主が黒幕って事ですか?」
ジュランがそう尋ねる。
「そうね。でもキルトの街の領主は今でもあのタカシ・シラヤナギよ。表立って動いているのは代理領主。800年も生きているなんてハイエルフでも無い限りあり得ないわ。それこそ魔族とかでも限られている。それなのに只の人族がハイエルフ並に生きているなんておかしいでしょ?だから実権を握りながら表には出ないようにしているの。それかここ数年姿を現す様になってきた。それで各国調べ始めて居たのよ」
謎が1つ解けた気がした。でもまた新たな謎が浮かんだ気もした。
「キルトの街の人達は知っているんですか?」
「いいえ、住人には当然代理領主ということは知られているけど、当人が生きていることは知らないはずよ。永久欠番っていうのよね?あなた達がいた世界では」
そう言うとエレノエラさんは玄関を見た。誰かがドアを開ける。そこから入ってきたのは、ガレと中村くんだった。
誤字脱字報告よろしくお願いします。
10時までに更新できずに申し訳ない。
朝、頭が痛くて頭蓋骨が割れそうだったので・・・。
(決して二日酔いでは有りません。そもそも年に缶酎ハイ5本も飲めば良く飲んだ年くらいの本数しか飲みませんので!)




