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日常と非日常の境界線

 その日の夜は晩ごはんを食べながら皆で色々と話し合った。アッシャムが旅してきた道のり、ジュランとミリロのこれまでのこと、そしてフェンリルの話を色々と聞いた。当然私の元の世界での事も話した。何も隠すようなことは無いから正直に話した。皆ブーブー文句行ってくれたよ。ちょっと嬉しかった。私の気持ちを思って代わりにあの偽家族への怒りが凄かった。ちょっと辛かった寂しかった日々が報われた気がした。今では皆のお陰で元の世界の辛かった日々を思い出すこともほどんど無くなっていた。

 「皆ありがとうね。本当に皆に出会えて良かった。私はこの世界に来られて良かったと思ってる」

 「何ですか、突然。照れるじゃないですか」

 そう言うとジュランは耳を真っ赤にしながらそう行った。それをミリロはケラケラと笑っていた。

 「それより突然どうしたというのだ。今まで必要が在れば聞いてきては居たが」

 フェンリルがそう問うて来た。

 私はエレノエラさんとのやり取りを話した。

 皆気にしなくて良いと行ってくれたけど、フェンリルはやっぱり鼻で一蹴した。

 「そんなもの、われらを信用していないと言っているのと同義では無いか。ジュランもミリロもアッシャムもわれもお主を信じているし、最後まで従いていく覚悟をしている。われらを疑うな」

 フェンリルは淡々とそう言ってくれた。

 エレノエラさんの言葉にちょっと凹んで感情に流された所が有ったなと反省。これからは無理をせず少しづつちゃんと話していきたいと思った。それでも今日話すことが出来たのは嬉しかったし、楽しかった。エレノエラさんにもお礼を言おう。そしてエレノエラさんの話も聞きたいと思った。カルマさんとの思い出話とかね!

 「それよりも当のエレノエラさんは何処へ行かれたのですか?」

 ジュランが部屋中を見渡しそういう。

 エレノエラさんは晩御飯の用意をすると用事が在ると出掛けてしまったのだ。

 今は時間にすると22時前くらいの感覚だろうか。他所様の家へ行くには余りにも非常識過ぎる時間だと思う。エレノエラさんがそんな人には思えないし、一体何処へ出掛けてしまったのか・・・・。

 そうして起きて待っているとそれから2時間近くしてエレノエラさんは帰ってきた。

 「こんなに遅くまで・・・・1人で大丈夫なんですか?」

 「この辺りはルブル族の結界のお陰で魔物もでないから大丈夫よ」

 護衛も付けず女の人が1人でこんな時間まで、魔物が出ないにしたって何があるか分からない。エレノエラさんはいつもこんな時間に出掛けるのだろうか?


 翌朝エレノエラさんは起きてこなかった。部屋を何度かノックしたけど返事はなかった。キッチンを勝手に借りて朝食を作った。エレノエラさんの食事が美味しかったからか皆の期待の目がまともに見られなかった。緊張しながら作った食事を出したらいつも通りおかわりもして美味しそうに食べてくれた。因みにメニューはおにぎりと味噌汁。それからオークの生姜焼きと粗みじん切りのボア肉を入れたオムレツ、鹿肉をたっぷり入れた野菜炒めを作った。野菜炒めにはニンニクをこれでもかって入れたからおかわりの圧が凄かった。

 「エレノエラさん本当にどうしたんだろう。大丈夫かな?」

 「そうですね。規則正しく生活をしてそうな方に見えましたから、昨夜は驚きました。あんなに夜遅い時間に帰ってこられて」

 私とジュランが話しているとアッシャムは人の生活に立ち入らないほうが良いと言う。

 でも私達がここまで来た道のりを考えると心配になってしまう。

 「何を言っているのだ。そもそもブルーバレまで行ったわけではないだろう。せいぜい街までだろう。それならそれほど危険な道はなかった。心配のし過ぎじゃないか?」

 フェンリルに言われ、確かにと冷静になる。

 そのまま昼になり、昼ご飯の準備を始めた頃エレノエラさんは起きてきた。

 エレノエラさんは寝衣のままリビングまで出てきて、ソファーに腰掛けた。私はアッシャムに言われた通り立ち入ることをせず、手に入れたコーヒーを勧めてみた。エレノエラさんはコーヒーを飲んだことが有るらしく嬉しそうに「ぜひ頂くわ」と言った。

 「いい香りね〜。私この香りとっても好きなの」

 「そうなんですか?こっちでは紅茶とかハーブティーなんかが一般的だと思ってて、コーヒーは見つけた時驚いたくらいです」

 「あら、貴女はコーヒーの方を良く飲んでいたって感じね」

 「ええ。皆と食後に寛ぐときには紅茶が殆どですけど、1人のときにはコーヒーの方が多いですね」

 私は淹れたてのコーヒーの入ったカップをエレノエラさんに渡す。

 「ありがとう」

 そう言うとエレノエラさんはカップを鼻に近づけ、スーッと香りを嗅ぐ。フーっと満足そうに息を吐くとカップに口を付けて一口飲む。

 「ん〜、起き抜けはやっぱりコーヒーの方が良いわね。紅茶だと頭がぼーっとしてしまう感じがして、私はこちらの方が好きだわ」

 私もコーヒーを飲む。こちらのコーヒは種類によりというより全体的にカフェインが少ない気がする。その分口当たりというのかのど越しというのか、そう言ったものが柔らかい感じがする。とっても飲みやすい。私とエレノエラさんはただまったりと何を話すでもなくコーヒーを飲んでいた。

 コーヒーを飲み終えたエレノエラさんが「ごちそうさま」と言って立ち上がり部屋へ戻ろうとする。

 「あ、食事どうされますか?すみませんが、起きて来られないようだったので、勝手にキッチン借りてしまいました。いつ起きてくるか分からなかったので朝食の分も有るんですが・・・・」

 「あら、本当に?じゃあ着替えてきてから頂くわ。貴女の料理楽しみ!」

 そう言うと弾むように鼻歌を歌いながら部屋へ戻っていった。

 エレノエラさんっていくつなんだろう?ハイエルフって言ってたから見た目と年齢は多分一致しないはず・・・・・。女性っていうより、乙女だよね・・・・。ハイエルフ、謎だ。

 そうして昼食を作り、エレノエラさんの分の朝食を温め直しテーブルに出すと皆も一緒に昼食を食べ始めた。因みにお昼はブルの焼き肉とたまごスープ、チャーハンと肉じゃがっぽいものを作った。

 エレノエラさんは朝食分と昼食用の肉じゃがを食べて美味しいと言ってくれた。それにしてもあんな細い体によく入ったなというくらい食べていた。恐るべしハイエルフ。

 「あ、そうだ昨日の夜皇帝に使いを出したんだけど今日誰か訪ねてこなかったかしら?」

 皆エレノエラさんを見る。そして皆と目が合う。・・・・エレノエラさんも皇帝と知り合いなの?

 「エレノエラさんは皇帝とお知り合いなのですか?」

 「あら、カルマから聞いてない?私はカルマが魔導師団長をしていたときの副師団長よ。皇帝とはしょっちゅう会っていたわ。そうしなきゃ仕事にならないもの。・・・・そう。カルマ何も話していないのね。いいわ、今日晩ごはん早めに取りましょう。その時私が話せることは話すわ。なんでも聞いて」

 そう言うと「ごちそうさま」と言ってエレノエラさんは部屋へ戻った。

 ジュランとフェンリルは何も話さないけど視線を交わしている。アッシャムは視線でエレノエラさんを追いかけドアを凝視している。ミリロはご飯に夢中だった。私は何でも話してくれると言ったエレノエラさんの言葉を素直に受け取ることが出来ずに居た。

誤字脱字報告宜しくお願いします。


来週9日は引っ越し、11日は現在の部屋の引き渡しになる予定なので9〜11日の更新は出来ないと思いますが、それ以外の日は14日まで毎日1話は更新していきたいと思います。よろしくお願いします。


いつもお読み頂き、本当にありがとうございます。

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