4 ギブミ―、おっぱいっ!
「もう痛いっ」
そう言っておっぱいから遠ざけられた
まだ腹八分どころか始まったばかりだったのに・・・
いえねあかちゃんのご飯といえばママのおっぱいじゃないですか
だから頑張って吸いましたよ
おっぱい
でも全然出てくれないんだよ
吸っても吸っても全然出てこない
たまにチョロチョロと出るだけ
いわゆる貧乳というやつだ
こちとら喋ることも歩くことも食べることもできないあかちゃん
おっぱいを吸わないと真面目に人生が終わってしまう
もう必死で吸ったね
ところが吸っても吸っても全然おっぱいが出てこない
嫌がらせかよ!と思ったね
それとこのままだと死んでしまう
いや殺される、かな
パパは頑張ったようだった
なにやら雑誌を見てはママに
「マッサージをするといいって書いてあるよ」
だとか
「食事によって出やすくなるそうだよ」
とか言っていたんだ
ところがママは
「そんなんで出るわけないだろ!」
とか逆切れしていたね
医師でも看護師でも助産婦でもないのに
小さな兄弟が居てお世話したとかの経験がある訳でもないのに
ただ自分の知っている知識の中にそんな事実がないというだけでニセ情報扱い
・・・親ガチャ完全に外れたね
大きくなってからパパから聞いて知った
パパが読んでいた雑誌は
『たまひよ』
だった、と
『たまひよ』に謝れ、と言いたい
まあママは絶対に謝らない人だって判っているけどさ