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1 すべての始まり
「痛いから蹴らないでっ!」
ボクの人生はこの言葉から始まっていた
あれはママのお腹に居た頃のことだった
眠くて眠くて仕方がなくっていつも寝ていた
でもある時からほんのちょっとだけ寝なくても済むようになっていた
今思うと成長していたんだね
何もやることない
暇で暇で仕方がない
ずっと丸まっていたんだけどさすがに身体が痛くなってきた
そこで足を少しだけ動かしてみた
そうしたらママから怒られた
「痛いっ!」
初めての記憶がコレだったといえばろくな人生でないのは御想像の通りだ
これはそんなボクの不幸の物語