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第壱七話

 夢と現実が違うとしても


 かなわない夢だと知ったとしても


 僕はそれでも前へ進もうと思った。



―――――――――



 向かった場所にはすでに着物を着た女性とぼろいマントのようなものをまとっただけの男性が立っていた。

「間にあわなかったっさ!」

「くそぅ!どうすれば……」

 両者はお互いににらみ合い……そう思ったのだがどうやら違うようで両手をぶんぶん振り回しているのが男性だ。

「だから、誤解だ!俺はお前以外に好意を抱いたことなんてない!」

「嘘をつかないでください………この写真は何ですかっ!?」

 突き出された写真に男性はじっと見入る。

「これは……その、単なる写真だろ?別にどうのこうのって話じゃないし……」

「もう話し合いの余地なんてありませんから」

 それだけ言うと着物の女性が発光し、次の瞬間には宙を舞う青い龍になっていた。目が血走っておりそれに呼応するかのように川辺の水が風もないのに沸き立ち始めていた。

「……緋奈さん、どうにかできませんか!?」

「……実力で排除するには相手が強すぎるっさ……」

 男性のほうも気がつけば発光し、白い龍へと、以前見たことのある白龍へと姿をかえていた。その神々しさに見ほれることももはやなく、どうすればよいかぜんぜんわからなかった……

 青い龍と白い龍が激しい攻防(一方的に青い龍が白い龍をぼこぼこにしているようにしか見えない)が繰り広げられており、その間僕らは下でボーっとその光景を見入っていただけだった。

「これが……これが神とあがめられてきた龍同士の戦い……」

「龍輝君、現実逃避をしている暇はないっさ!あれはどう見ても嫉妬に狂った女性が男性を指しちゃうようなお昼のドラマみたいな感じっさ!」

 いや、僕もわかってるよ。及び腰になっているあの白龍をどうにかして助けないといけないのは誰だって知ってるさ。

「どうすればいいんだよぉ!」

「俺っちがとめてみせるっさ!」

 言うが早いか右手を青い龍へと向ける。次の瞬間、おそろしいほどのマグマが右手から噴出し、宙に浮いている液体状の龍へと襲い掛かった。

 激突し、蒸発した水が白く天へと上っていく……だが、それだけだった。青い龍の追撃は尚のこと変わらず効いていない様だった。

「そんな……これが聞かないなんてありえないっさ。寒天だって一瞬で溶解するのに」

 たとえがしょぼい所為でいまいち威力がわからないだろうがあの威力ならどんな建物だって一発でとかせるはずだ。きっとゴ○ラの光線にだって負けてないレベル。

 いまだ宙で戦闘を繰り広げる龍たち。人間の介入など不可能なのかと思ったのだが一つだけ青い龍の動きを止める方法を見つけた。

「緋奈さん、今から白い龍のほうを狙ってください」

「え?何で?」

「いいから!」

 そのまま駆け出して落下してくると思われる場所へと移動する。

緋奈さんは僕の指示に従って動いてくれており、先ほどよりも威力は弱そうだが(もっとも、あんなものをくらって原型をとどめていられる自信はない)動きの早い火球が白い龍を追い詰め始める。青い龍と赤い龍との攻撃を受け、必死に回避する白い龍がものすごく不憫に感じたが解決方法はこれしかない……というより、青い龍が好きなだけぼこってしまえば何とかなるのではないかと考えたのである。

 白い龍は力尽きたのか、そのまま僕の目の前へと落ちてきた。今では龍の姿ではなく人の姿で転がっており、あれだけ火球をぶつけられていたのに一切怪我なんて負っていない。どの程度の実力を保有しているかわからないが耐久力はすさまじいようだ。

「おとなしくあの青い龍に怒られてください」

「おい、俺に死ねって言ってるのか!?え、ちょ、ちょっと待てって!」

 気がつけばあの着物の女性が白い龍だった人の足を掴んでいた。

「……たまには一緒にいないとやっぱり私のことを忘れてしまうんですね?ふふっ、楽しみですね」

「え、いや、俺は……頼む、助けてく」

 れ……を言い忘れたまま、白い龍だった人は消えてしまった。

「龍輝君、何とかなったっさ?」

「まぁ、多分……」

 こうして、また一つ面倒な話を終わらせることができた……と思ったのだった。だが、一つ忘れていたことはあの祠のあった山での事件。みんなは覚えていただろうか?あの場所は今では静かな場所に再びなったそうで祠も再建されたそうだ。




――――――――



「雪子さん、機嫌をなおしてくださいって」

「知らない」

「まぁ、雪子許してやるっさ」

「はぁ、何で?」

 あれから三日後、ようやく雪子さんが発見された。忘れていたとかいったら確実に殺されてしまうだろう……あまり活躍しなかったし。

「まったく、たっちゃんは相変わらずだな」

「真帆……どうにかしてくれ」

「何でわたしが……それより、たっちゃんに面白い依頼がきてる」

 一つの紙を貰って僕はため息を一つついたのだった。


え〜と、非常に投げやり的な、言い訳のような、聞いてるだけでいらいらするようなことかもしれませんが続編が読みたい人がいたら教えてくださいっ!!

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