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11、スパイ募集して〼
「スパイ募集して〼」
スーパーの掲示板にクリーニング屋のチラシや地域の防災訓練のお知らせと共にその文言は貼られていた。真っ白なコピー紙に「スパイ募集して〼」の文字と手書きの電話番号だけ。特に隠れて貼っているわけでもなさそうなその求人に私は思わず足を止めた。
「いつからここにあったんだろう?」
思わずつぶやいてしまったけど、そんなことはどうでもいい。なんだコレ。この町でスパイ?一体何をするんだろうか。世界の危機とか救うのかな。怖いなあ。でもちょっとだけ興味あるかも。
チラシの電話番号をメモしようと思って、一歩踏み出すと突然横から青いシャツを羽織った大学生風の男性が現れた。「スパイ募集して〼」に打ってある画びょうを抜こうとしている。私は思わず声をかけた。
「あの、すみません。」
男性は画びょうを一つ外して振り向いた。
「このチラシって……」
「ああ、これ。今回はもう人数が集まっちゃったんで。また次の機会に。」
「そ、そうですか。」
いったい何だったのか。とりあえず報告しておこう。
「こちらエージェントG、○○町に敵対勢力の可能性アリ。詳細は……」




