暗い壺の中
‥‥痛ってぇ~~~‥‥‥
でも良かった、間に合った‥‥
「すいませ~ん大丈夫ですか!?」
現状、四つん這いみたいに両膝ついて、右手で落ちた女の人の片腕を掴み、左手を落とし穴の外に踏ん張っている‥‥正確に言うと三つん這いかな?
‥‥ややあって、こちらを見上げてくれて、一つ頷いてくれた‥あ~良かった~~‥‥
「あっそうですかぁ~。すいません弓こっちに渡せますか~?」
そう声をかけると、素直に弓をこちらに上げて差し出してくれたので、踏ん張れる様に姿勢を整えつつ、左手で弓を受け取ってから自分の背中の方にまわし‥‥
「すいませ~ん。誰か受け取ってくれませんか~~?」
‥‥返事がない‥‥まるで水を打ったかの様だ‥‥
「あの~~‥‥。もしも~し??」
‥‥‥
「もしも~~し??」
ダメだ外には頼れない。
「すいません、弓って地面に置いちゃっても大丈夫ですか?」
コクリと一つ、頷いてくれた。
「わかりました、ゆっくり置きますね~。
じゃあ空いた方の手、こっち伸ばして下さ~い」
弓を置いた左手でそちらを掴み‥‥
「じゃあ引き上げま~す。‥ぃよいっしょぉ~!」
グイッと引き上げ、横に立たせた。
すると役目を無くした落とし穴が、溶ける様に消えていった‥‥
「‥‥ハァ~~もう心臓に悪いったら‥‥」
なんて思うと無く呟いていると
「‥嬢ちゃんベヒーモスから静かに離れろ‥‥」
「きっき貴様何なんだっ」
声がしたので振り向いてみれば、見た目装備に差はあれど、いかにも戦士然とした男の人が二人、剣を握って身構えていた‥‥
‥‥こりゃどうしたもんかな‥‥