好奇心、所嫌わず
「すみません、一体何をしたんですか‥‥?」
うん、うっすら来るかな~と思っていたけど、やはりマクファーソンから質問が飛んできた。
「‥いやぁ‥‥何と仰られましても‥‥‥ 思い当たるのは‥‥ただ単純に、一点に魔力を押し付けてみたくらいしか‥‥‥ いやまさかこんなことになるとは思っても見ませんでしたから‥‥‥」
「えっ? あの、それだけですか‥‥?」
そう聞くやいなや、自身の左腕に拘束の魔法を纏わせ、そこに右手をかざした。
そして‥‥‥
「‥‥‥なんともなりませんよ?」
‥‥アレ?
「えっと‥ちょっと失礼します」
おっかしいなぁ~~‥‥‥とりあえずその魔法に指先を添えて、魔力を込めてみる。 すると‥‥ さっきの様に、サワ~っと魔法は解けていった。
「‥‥え‥? 一体なんの違いが‥‥‥」
そしてマクファーソンさんは、思考の海に潜って行かれた‥‥
「‥あの‥‥何か感覚的に似たような魔法とかありますか‥‥?」
えっ?似たよう? ‥‥‥似たようかぁ~‥‥‥あっ
「あっそういえば、怪我を治す時に似てるよ~な感じも、しないでもないような‥‥」
「‥‥となると‥‥‥法術に何か関係があるのか‥‥‥?
シスターっ、ちょっとこちらにきてくれませんか?」
振り返ったマクファーソンさんに、急に声を掛けられた、離れたところにいらしたシスターさんは‥‥‥ 青い顔をされてプルプルと首をお振りになられた‥‥‥
‥ついでにザリッと後退りもされた‥‥‥
「マクファーソンさん‥‥それはちょっと気の毒ですよ‥‥」
「おいお主らっ! 少しおとなしくしとれぃ」
おっと、バーヌさんから苦言の言葉が‥‥ すいません、こんな状況で魔法の考察に花を咲かせるのは、ちょっとアレでしたかね‥‥‥
そしてバーヌさんはこちらまで歩み寄り‥‥
(‥そういう事を大っぴらでやるでないわ‥‥)
ポソリと仰った。
するとマクファーソンは、アッと何か気付いた表情を浮かべ、少しため息をついた後、シスターさんの方に進めようとした足を止めた。 来ないならこちらから出向こうとしたんだろうなぁ。
「‥‥なんかすみません」
そしてマクファーソンさんは、なぜかこちらに謝られた。 何だろう‥‥あっ、バーヌさんにお小言いただいちゃった事かな?
「いえいえこちらこそ~‥‥」