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ポン菓子気分


 膨張、



 その感触は、それだった。



 ゾワゾワと‥‥ 細胞の一つ々々が膨張する様な感覚‥‥‥




 言うなれば‥‥‥ あっ、ポップコーンだね


 あのカラッカラのコーンの一粒々々に意識があったら、きっとこんな風に感じてるんだろうなぁ~~‥‥‥




 ‥‥‥なんて、在らぬ事を考えて、現実を逃避しておりましたが‥‥‥





 ズモモモモモ!!!!!!!




 ハイッ!!!! 逃避しきれませんでしたっ!!!!

 自分の体が急に巨大化しだした!!!!!


 伸びる膝の、下の砂利がこすれてジャリジャリ音がするっ!!! まぁ別にそんな痛かぁないけどカッタイ毛のせいで!!!!




 ブチブチブチッ!!!



 あ~~~縛り上げたロープが切れてる!!!! そりゃそうですよ~!!! だって細いんだも~ん!!!




「ギャ~~~~~!!!!!!!!」「イヤ~~~~~~!!!!!!!」「逃げろ~~~~~!!!!!!!」



 遠巻きに見てた皆々様がもぉ大騒ぎっ!!!! すいませ~~~ん そうですよねぇ~~~~!!!!

 こんなおっかない風貌の奴がイキナリでかくなったら~~~~~!!!!!




 ‥‥‥ややあって感触が収まり‥‥





「‥‥‥あの~~~すいません‥‥‥‥ 自分‥なんか‥‥‥ おっきくなって‥‥ますか‥‥‥‥?」



 未だ近くにいらしたシヨルラさんにお訊ねを‥‥‥ と言うかちょっとは逃げましょうよシヨルラさ~ん‥‥‥


 ホラッ他の皆さん、それなりに距離は取ってますよっ 御身は大事に‥‥‥




「‥‥‥うん‥‥‥‥あと‥‥‥‥‥ 黒く‥‥‥ なった‥‥‥」



 ‥‥‥う~~~んやっぱそっかぁ~~~~‥‥‥ 目端に飛び込む自分の毛の色が、真っ黒けっけだと思ったんだよなぁ~~~‥‥‥ 改めて、じっと手の甲を見る‥‥‥うん、より実感‥‥‥




「‥‥‥貴様‥一体何を‥‥」



 口火を切ったのは高そうな鎧のデュランさんだった。剣を抜き放って、しっかりこちらに構えていらっしゃる。



「いやぁ‥それが自分でもサッパリ‥‥‥」


「‥おぬし‥‥‥その‥‥ 大丈夫‥なのか‥?」


「あっハイ、心身共にすこぶる健康‥‥‥っぽいです‥‥よ?」


 すいませんバーヌさんっ こんな言葉しか返せなくって‥‥ 何分なにぶん自分にも何が何やら‥‥‥






 ‥‥‥‥‥!!!!!!




 とっさに自分はギュッと正座の膝を閉めた!!!!


 そしてお股を両手で押さえた!!!!


 でっかくなったからギュウギュウに腰に食い込んでるこの腰布! もはやミニスカートってレベルじゃないよ!!! お見苦しいもんが! 身動みじろぎ一つでコンニチワだよもぉっ!!!!!!



「──おいそこの!!! デカイ布を持ってこい!!!!」

「天幕を!!! そこのテントをばらして持ってきてください!!!!!」


 察していただいてありがとう御座います~~!!!バーヌさんコフランさ~ん!!!!!


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