己が不徳は大いなる動揺を生む
すみません、前話と統合して投稿しました。
掴まれて、へどもどしてから後が新しいお話です。
ぬぉわぁ~~~!!!!!やらかした~~~~!!!! じゃなかった!!!やらかしとった~~~~!!!!!
ま~た考えなしにいらんことやって!!!シヨルラさんにもぉとんでもないご迷惑を!!!!!
すいませんすいません!!!!ほんと~~~にすいません!!!!!!!!」
もうコメツキバッタもかくやの土下座!!!! ホント今日謝ってばっかりだねもぉ!!!
でも躊躇なんか御座いません!!!! よりにもよって!!あんな生い立ちのシヨルラさんの商売道具を壊しちゃってたんだから~~~~!!!!!!
ゴッツンゴッツン地面にぶつけた額越しに上目でシヨルラさんを窺うと‥‥
「‥‥‥あのっ‥‥!‥‥‥あ‥‥‥えっと‥‥‥!」
アレッ!!?何か凄く困った様子でオロオロしていらっしゃる!!???
ハッ!!そうか!!! きっと弓を壊されたことと、こちらを気兼ねするお気持ちがせめぎあってるだ!!多分!!
もぉそんなお気遣いなんてしなくていいのに!!!!!
「あのっ!!ちゃんと弁償しますんで!!! あのっ~!‥え~っと‥‥ちょっと金目の物探して来ますっ!!!」
とにかく弁償出来るだけの持ち合わせをいっそいで稼がなきゃ!!!! ダンジョンに戻って柔らか金属でも刃物鋼でもほじくって‥‥
‥と‥不意に‥‥ とんぼ返りしかけた自分の小指を、キュッと何かに掴まれた‥‥
えっ?と振り返ると‥あれシヨルラさん!??
そして何か言いたげに唇を開き‥‥‥でも言葉は紡がずそのままキュッと唇を結び‥瞳も結び‥‥ 俯きながらブンブンと首をお振りになった‥‥
‥‥え‥‥‥えっと‥‥えっと‥‥ あれっ!?もしかして自分っ まだ何か失礼をしてましたか!???
「コラッ!今帰るでないわ!!」
「すみません‥! 今戻る事だけは‥何卒ご容赦を‥‥!」
ふぉわっ!!!そうですよね!! 何の為にさっき逃げなかったんだか!!!
今ダンジョンに戻ったら、何で逃がしたんだってシヨルラさんに‥いや皆さんにご迷惑を~~!!!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイ‥‥自分今、人生で一番‥‥いや前世も合わせても一番ってくらい、ものすっごい動揺してる‥‥‥ 何とか冷静にならないと‥冷静に‥‥‥のぅわ~~~ごめんなさいシヨルラさ~~~ん!!!!
ダメだ~~!!!罪悪感が強すぎて全然冷静になれないよぉ~~~!!!!
「‥あのっ‥これは‥!!!」
‥すったもんだと懊悩するこちらの耳に、不意に声が届いた。
そちらを見やると‥‥‥背丈は普通の人ぐらいの、鎧を着た、二足歩行の、ウサギが‥‥‥
ん‥‥何? この可愛い光景は‥???
「バカモン遅い!!!騒ぎが起こりかけとったろうが!!!!!」
「‥‥さ‥‥騒ぎって‥‥‥今起こっているのでは‥?」
‥‥‥うん‥‥まぁ確かに‥騒ぎっちゃあ騒ぎだよね‥‥
「でっ! 上のもんはどうした!!!」
「‥‥えっと‥‥上の者とは‥‥‥‥?」
‥‥‥‥やや‥‥? そのウサギさんの言葉に、なんか大きな盾の人が眉間を押さえられた‥‥
「おぬし‥‥本部から来たんではないのか‥‥?」
「‥本部‥‥?? 私は詰め所から、騒ぎと聴き付けて来たので‥‥‥」
「‥‥‥‥そうか‥‥‥ じゃあ本部に使いに行ってくれんか‥‥? 第八中隊副隊長ゴードン・バーヌが、とっとと来いと言っとったと伝えてくれ‥‥」
「は‥ハッ!!」
「あぁ、それと‥‥」
ピシッとお返事を返して振り返ろうとした、その茶色い毛並みのウサギさんに、大きな盾の人が次いで声を。
「その‥さっきは怒ってスマンかったのぉ」
「い、いえっ! では失礼致します!!」
そしてウサギさんは、もぉ文字通り脱兎の如く駆け出して、遠くに控えていた馬に乗ったお仲間さん‥‥ わぁ‥あちらも皆さんウサギさんだぁ‥‥ その皆々様と合流し、ご本人も馬に駆け乗り、去って行った‥‥‥
「‥‥え~っと、今のは‥‥‥」
「あぁラビットナイツか? あやつらも軍のもんだ。 足が速いから、情報伝達やら斥候なんかを主にやっとるのぉ」
‥‥確かにすっごい速かったなぁ‥‥流石ウサギさん‥‥‥
‥あ、なんか想像外の光景が飛び込んで来たからか、少し自分の頭、冷えたっぽい。 気持~ち落ち着きを取り戻せた気が‥‥
そういえば大きな盾の人って、ゴードン・バーヌってお名前だったんだねぇ。
「‥まったく本部は何をやっとるんだ‥‥‥」
そのバーヌさんが、なんか吐き捨てる様な感じで独りごちられた。
‥‥うん‥‥まぁ‥‥‥ 揉めてるんじゃないかな‥‥?