空と大地の透き間にて
見やる景色は‥建物ちらほらありつつもどこまでも広がり‥‥ 大地には‥固く締まった土の道が、どこまでかと続いている‥‥
足元には‥‥くっきりと分かれた日陰と日向‥‥‥ 照らされた大地に‥‥一歩‥踏み出した‥‥‥ 足に伝わるぬくもり‥‥と言うか、熱い。
ついでにまとわる大気も熱い‥‥ やっぱ夏だったかぁ~~‥‥ 夏バテには気を付けよっと‥‥‥
‥‥‥なんて、出来るだ~けあらぬ事を考えて心の平穏を保って歩み出た‥‥‥けど
「‥‥‥‥‥ギィヤァァァ~~~~!!!!!!!」
「化け物ぉぉ!!!!!」
「逃げろぉぉぉ~~!!!!!!」
「イヤ~~~~!!!助けて~~~!!!!!」
「終わりだぁ~~~~~!!!!」
ですよね!ヤッパリそうなりますよねぇ~~!!!!
そりゃもぉ物の見事ぉ~に!!!! 蜘蛛の子散らす様にお逃げになりましたよ皆さん!!!!
何というかまぁ‥阿鼻叫喚って感じで‥‥‥ あぁそんなに慌てて走ったら‥‥あっ、顔からすっ転んだ‥‥大丈夫ですかぁ‥‥?
でもそんな周りの様子を気にもしないで、大きな盾の人はズイズイ歩みを進めてく‥‥ 鬱々とした気持ちを隠そ~ともしない溜め息をたまにこぼしながら‥‥
進む先には周りと比べてちょっと大きめの建物‥‥ あっ、なんかパリッとした服の人が出てきた。
そしてこちらを見るなり‥‥
「うあ゛ぁぁぁぁ~~~~~!!!!」
‥‥すっ飛んで逃げて行きましたよ‥‥‥
「おいっ!!一体何‥‥‥」
あっ、今度は鎧を着た方が飛び出てきて‥‥
ガシャン‥‥
‥‥‥腰を抜かされた‥‥
もう一人鎧の方が出てきたと思ったら、脱兎の如く逃げ‥‥ずに踏みとどまって、剣を抜いて構えられた。
‥‥でもガッタガタに震えられて、もの凄~~く腰が引けてらっしゃる‥‥ 腰を抜かした方の後ろで‥‥‥
このお二人は軍人さんかな? 大きな盾の人と似た感じの鎧だし。
「どっどうしたんで‥‥!!!!」
おっと今度は、またパリッとした服の男女が。 そしてこちらを見るなり、女性は声も無くその場にへたり込み‥‥ 男性は建物にトンボ返りしようと‥
「‥‥おい、逃げるな」
おや、その声はデュランさん?
‥‥‥おっと‥‥剣を半身抜いて出ていらっしゃいましたよ‥‥柄を左手で逆さに握って。 刃傷沙汰はよしましょっ、刃傷沙汰は‥‥‥
「‥‥‥こっ‥‥ここここ‥‥これはどういう‥‥‥‥」
振り絞る様に出した、パリッとした男性の声に
「だぁから言ったろうが!!!!」
‥‥お~~っと‥大きな盾の人は大変にご立腹‥‥‥ 一旦出られたときに、どんなやりとりがあったんだろ‥‥
‥‥‥う~~ん‥‥‥‥こりゃ敵意が無いことをアピールしといた方がいいかな? よしっ、まずは朗らかに挨拶をば‥‥
「こんにちは~~初めまして~‥‥‥」
‥‥あ‥‥‥女性の方が気絶した‥‥‥‥