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光の割け目

 緩やかにカーブした岩壁に沿って歩いて行くと‥‥光が一筋現れた。


 斜めに差すそれは、曲がった道筋を進むごとに大きく広がってゆき‥‥‥ そしてとうとう、その光のみなもとが、縦に伸びる線の様に目に映った‥‥‥



 いやぁ~~やっと出口に着きましたか~~



 はやる心に歩みを緩めず、その光の裂け目に進もうとしたそのとき、


「おい、おぬしはちょっとここで待っとれ」



 お??‥‥ あっ‥あぁ~~ そっかぁ‥‥‥


「デュランだったか。おぬし一応パーティーリーダーなんだから、一緒に先触れに行くぞぃ」


 ですね~‥‥いきなりベヒーモスなんぞが出てったら大パニックですよね‥‥ こちらを引き留めた大きな盾の人が、続いて高そうな鎧の人に向けてそう仰った。


 そして高そうな鎧の人はデュランってお名前だったんですね。



 ‥‥そんな訳でお二人は光の向こうへ歩みを進め‥‥

 そしてシスターさんは、流れる様に後をついて行った‥‥ホントすいません怖がらせてばっかで‥‥‥




「さあ時間が出来ましたしっ! 先ほどの空飛ぶ魔法、教えてくれませんか?」


 そしてマクファーソンさんは己が欲望にまっすぐだった。はいっかしこまりましたっ



「えっと、こちらの世界の大地が丸いのか平らなのか分かりませんけど‥‥ 下に落ちるっていうことは、下に引っ張る何某かの力に反応してるって解釈しまして‥‥ なら、その力に反対に作用する様に、魔法で出来ないかな~~って思ったら、ああやってプカプカ浮かべたんですよ~~」


「‥‥‥大地が‥‥丸い‥‥?」


 おっとコフランさんからも疑問の声が、


「あっ、自分の前世の世界はそうだったんですよ~地球って言って。 星の中心に重力という力で、全てがギュ~~ッと引き寄せられてまして」


「‥‥星? ‥‥‥大地が‥‥星だったのですか‥‥?」


「ですよ~」


「えっ? じゃあ大地が岩の塊みたいになって、宇宙を飛び回っていたんですか?」


 おっ、凄いマクファーソンさんっ。 今まで大地が平らと思っていたのに、スパッとその発想に至れるなんて。


「えぇ~太陽の回りをクルクルと。 あっでも、岩の塊じゃあなかったですよ~ 下は溶岩で、地表の厚さなんてリンゴで言ったら皮ぐらいのもんでしたし」


「え‥‥? そんなに薄いんですか‥‥‥?」


「まぁ薄いって言っても、そんじょそこらの山を逆さにして押し込んでも全然貫通しないくらいの厚さはありますけどね~」


 貫通さすならチベット辺りの山を持ってこないと。



「‥‥あの‥その様な厚みでリンゴの皮という事は‥‥‥ 地球と言うものは途轍もない大きさなのでは‥‥?」


 お~コフランさんも凄い、地表の厚みから地球の大きさの見当を付けてくるとは。


「あ~そうですね~ 確か歩いたら、5千700万歩だか800万歩だかって見たことがあった気が‥‥」


「‥それって何年掛かるんですか‥‥?」


「さぁ~~どうだったかなぁ~‥‥ でもこれ、海を無視して一直線の距離ですよ? 確か。」


「‥そう‥なんですね‥‥」


「しかしお二人共、洞察力が凄いですねぇ~ ところで‥‥」


「?」


 ここで一旦、マクファーソンさんに向き直り、一つお尋ねをしてみることにした。


「話、だいぶ脱線しちゃってますけど‥‥魔法の方はいいんですか?」



 ハイ、これらは前世の地球の話。


 ぶっちゃけこっちの世界の魔法とは関係ありません。多分。


 重力のくだり以外は、全部よもやま話かと。



 アッと一つマクファーソンさんは呟き‥‥そしてばつが悪そうに、アハハと小さな笑みを浮かべた。

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