遠慮は続くよどこまでも
「はいっ 治りましたよ~」
カサブタみたいになった跡をペリリと剥がせば、ハイッばっちり完治!! すべすべモチモチ玉子肌!!
シヨルラさんは少し呆けたような表情を浮かべた‥‥
そして‥おそるおそる‥‥ 焼き印のあったところを撫で‥‥‥
そして静かに泣き出された!!!!
ゆるりと瞳が潤んだかと思ったらサラサラと頬を落ちて!!!!
やばい!!! ひょっとして焼き印消したのまずかった!?? でも今さら元に戻せって言われてもど~にもならん!!!!!
「すいません!!本当~~にすいません!!!!」
一も二も無く即土下座!!!! すいませんホント余計なことを~~!!!!!
「‥‥ちっ‥‥違っ‥‥! そう‥‥じゃ‥‥!」
そんなっ こんな時までお気遣いいただかなくても!!!
「ホンット~~~に申し訳ございません!!!考えなしに要らん事しちゃって!!!!」
「‥‥だ‥‥! だか‥‥ら‥‥‥!!」
「おぬしちょっとだけ向こう行っとれ!!!」
ハイ分かりました!!! よく分かんないけど分かりました!!!!!
「‥‥ちが‥‥! ‥‥だか‥ら‥‥‥行かっ‥‥ない‥で‥‥‥!!」
あれぇ~~!!? 遠くに足を進めるごとに、シヨルラさんの懇願するような声が大きくなって!?? いったい自分はどうすれば~!!???
歩みを止めれば‥‥
静まり返したダンジョン内に、声の殺して涙を流すシヨルラさんの、しゃくりあげる様な息づかいだけが谺し‥‥
ベヒーモスの自分は一人‥‥ 只ひたすらにオロオロしていた‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥
その後‥‥ 落ち着きを取り戻したシヨルラさんは、ポツリポツリと‥‥ ご自身の過去の事を話してくれた‥‥‥
生まれ故郷で、他国の軍に拉致された事‥‥‥
あの焼き印は、その時に付けられた事‥‥‥
そして奴隷商の手に渡り、今の国まで来た事‥‥‥
そして自由の身となるために、冒険者になってお金を稼いでいるという事‥‥‥
‥‥‥うわぁ~~!!そんな事聞いちゃったらもぉ~何もしない訳には!!!!
「もう自分の取り分とかいいんで!全部シヨルラさん貰っちゃってください!!!!!」
「‥だ‥大丈夫‥‥!!! もう‥一杯‥‥してもらった‥‥から‥‥」
「あっ!そうだ!!この鎌もあげます!!!! 売っぱらって何かの足しにでもしちゃってください!!!!」
「‥‥おね‥‥がい‥‥!! 話‥を‥‥聞いて‥‥‥!!」
「‥‥おぬし、悪い奴に欺されない様にせいよ‥‥?」
大きな盾の人が何か言った気がするけど、今は聞けるような状況じゃありませ~~ん!!!!