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不都合なことは隠してしまえばいい
と、言う訳で一瞬‥ほんの一瞬だけ、シヨルラさんの右肩に、ある魔法を掛けた‥‥
「どうですか? 何か感じますか?」
「‥‥?」
シヨルラさんはキョトンとして、首を横にお振りになった。 よしっ、いけるっ
次に左手で患部を覆う様に隠し、さっきの魔法を掛けつつ右手の爪先で、そこをツンツンつついてみた。
「どうです? 痛みとかありますか?」
再びフルフルと首をお振りに。 ではでは‥‥
「──今、治療魔法を掛けてますけど‥‥イヤな感じとかありますか?」
ピクッと‥シヨルラさんは少し見開かれた瞳で視線を上げ、そのままブンブンブンと首を横にお振りになった。
「え‥‥?」
「どうして‥‥」
「おぬし‥一体何を‥‥」
「え? えっと、痛み止めの魔法も使ってみたんですよ~」
「は!?」
「そんな‥‥」
「なるほどそういう魔法‥‥ いや法術?」
そう。なんてことはない、ただの麻酔。
魔法‥‥か何かで、神経を黙らせているだけ。
「この調子ならもうすぐキレイに治りますよ~」
ツヤツヤお肌が復活ですよ~