ちょいと奇妙な通せんぼ
その後つつがなく歩みは進み、確かこの辺までしか登れたこと無いな~って思っているところ‥‥ 不意に前を行く、鎧姿のお二人の足が止まった。
「‥‥ハァ~‥まいったのぉ‥埋まっとるわぃ‥‥」
「クソッ‥ルートの探り直しかっ‥‥ なぁ、一旦休憩しないか‥?」
「そうさのぅ‥‥ ヨシ、二十分ほど休憩にするかぃ‥‥」
大きな盾の人の声を合図に、皆さん思い々々に、楽な様にされた。その場に腰を下ろされたり、岩壁にもたれて座られたり‥‥ シスターさんなんかは敷物を敷かれて、お上品。
‥‥しかし‥‥‥埋まってるねぇ‥‥‥
‥‥バカでっかい岩が、岩壁に‥‥‥‥
言うなれば、粘土の中に、野球ボールをきれいに埋めて、少し顔を出させた感じ‥‥‥ 何がど~なったらこうなるんだろう‥‥‥ って、自在に姿を変えるダンジョンの中で、こんな疑問も野暮天か。
さて、手の平サイズの岩を拾って、刑事ドラマの凶器みたいに持ってゴンゴン‥‥‥ ‥‥うわぁ~‥‥こりゃ相当カッタイわぁ~~‥‥ ぶつけた方が、一方的に負けて粉吹いちょる‥‥‥
続きまして、岩壁の方もゴンゴン‥‥ うん‥‥埋まってる岩の方が遙かに硬いね‥‥
「‥‥何‥‥してる‥‥の‥?」
何故か楽にされてないシヨルラさんがお尋ねになられた。
「いや~~ちょっと‥‥‥ ひょっとしてここに通路かなんかあったんですか?」
「‥うん‥‥」
「あっ、やっぱりそうなんですね~。いやぁこの岩壊せないかなぁって思って」
「‥‥‥無理‥しない‥‥で‥‥ 硬い‥‥凄く‥‥」
ハイ、硬いのはさっきよく解りました。
「ええまぁ、やるだけやってみても‥‥‥ いいですかね?」
あっ、シヨルラさんが少し困った顔をされた‥‥ すいません、聞くなら大きな盾の人とかですよね。
と言う訳で尋ねに行ったら、「‥‥程々にの‥」と仰られた。
さて、全力全開でこの岩をぶっ壊す‥‥‥ のは却下。
なんせ回りの岩盤の方が弱いから‥‥ 落盤が‥‥ねぇ‥‥‥