そして再び闇の中
「どうなさいましょうか?‥ これは‥‥‥」
行き場を失ったハチミツサイダーを手にコフランさんはお尋ねに。
「‥え~と‥‥ よろしければコフランさん、飲んでいただければと‥‥‥あ、」
ちょっと視界の片隅に入った柑橘をもいで‥‥‥
「コレって人間の方は食べられますか?」
「ダイアモンドシトロンですか‥‥ 地上に出れば、なかなかの高級果実ですよ」
「そうなんですね~」
サッと、さっき伸ばした爪で切れ目を入れ、キュッとコップにひと搾り。 残りは私がいただきます。
「どうぞ~、より美味しくなったかと」
「あ‥あぁ‥‥ありがとうございます‥」
そしてコフランさんは口をつけ‥‥
「‥‥え?‥‥ぉ‥‥」
「え!! ひょっとしてお身体に障って!??」
「ぃえ‥‥大丈夫です‥‥‥ あの‥‥‥魔力が回復して‥‥ これは全快するかも‥‥‥」
声を潜めて仰った。
「‥‥あの‥‥ この事は暫く内密にしていただいても宜しいですか‥‥?」
「え???‥‥‥ えぇと‥‥‥ まぁ‥‥構いません‥‥‥けど‥ ?」
‥‥まぁなんとなく‥‥ 薄々感じちゃいたけど‥‥‥このパーティ、一枚岩じゃあないんだなぁ‥‥‥
なんてことがあってから‥‥ コフランさんは巣板やら、転がってる生死様々なドンブリ蜂やらを魔法で異空間に収納し、
シヨルラさんは矢を回収してたので、自分はそれをお手伝いし、
その後また、プ~っと爪を焼き落とし‥‥
そして皆さんと共に岩壁の割れ目に進み入り、再び灯った松明の明かりを頼りに、暗い傾斜を登った先に‥‥ また日の光の射さない層へと登り出でた。