つまらない物ですが
甘い秘密を嗜んだ後‥‥
いつもの調子でドンブリ蜂の巣を包み‥‥‥ハタと気付いた。
こんなでっかい物を‥‥華奢なシスターさんにお渡しするのは‥‥‥嫌がらせだよなぁほとんど‥‥‥
あ‥‥隙間から‥うごめく半透明が‥‥ 隠そ隠そ‥‥葉蘭をずらして‥‥‥
あの後、お金になるかもって聞いたから‥‥まとめて包んじゃったけど‥‥ こりゃ尚々アウトだなぁ‥‥
‥‥よし、こいつらは自分が上まで持って行こ‥‥んで上で蜜のとこと切り分けよ‥‥
小さい巣板は背負い籠に詰め込んで‥‥ 大きいのは小脇に抱えて‥何とかなるかな?
「あの‥‥よろしければ私が運びましょうか?」
ややっ、コフランさんからありがたい申し出が。
ちょっと黙考。‥‥そして
「すいません。甘えちゃってよろしいですか?」
「そんなに遠慮なさらないで下さい、助けていただいた恩があるのですから」
んな大袈裟な‥‥でも、ありがとうございます。
あ、そうだ
「すいません、ちょっとだけ待っててもらっていいですか?」
「あ、えぇ」
そのお返事を聴いてすぐ鎌を手にして、人でも握りが良さそうな太さの木を、程良い幅に切り取った。
そして親指の爪をシャンと伸ばして、その木っ端の断面をくり抜いて‥‥‥ ホイ、コップ完成。
では、燻しの燃えさしから灰を取ってまぶして、魔法で水を出してよく洗って、
ついでに自分の手にもまぶしてよく洗って‥‥‥
「あの、灰なんか使って何やってるんです?」
おっとマクファーソンさんからお尋ねが。
「石鹸代わりにしてるんですよ~。こんな環境ですから雑菌が怖いですし」
「‥ザッ‥‥キン?」
‥‥ん? ‥‥‥あぁ‥‥この世界ではまだ発見されてないのかな?微生物は‥‥
「目に見えない程の小さな生き物ですよ~。そいつが体の中で増殖すると‥‥‥ ホラ、風邪とか。」
まぁ、風邪は菌じゃなくてウィルスだけど。
「‥‥それも‥‥前世の知識ですか‥‥?」
「えぇ。でも多分いると思いますよ? こちらにも。」
いなきゃお肉は傷みません。
さて、コップにハチミツ入れて、ブリザードスカディをくりくり揉んでから入れて、‥‥‥魔法で炭酸水出せるかな‥‥? まぁ、前世の地元じゃあ炭酸泉が湧いてたし、何とかなるでしょ‥‥‥
‥‥‥はい、何とかなった。
改めて出して、コップの中にトポポっと。
そこに灰で洗った木の枝をマドラー代わりにさして‥‥‥
「すみませんコフランさん‥‥ お詫びの品として‥シスターさんにお渡しいただいても‥いいですか‥‥?」
ごめんなさいは早いが大事。
まぁそれをコフランさんに頼むのもアレだけど‥‥‥自分が近づいたら‥‥ねぇ‥‥
‥‥‥そして遠見に見える、コフランさんと対面したシスターさんが‥フルフルと首を降るのが見え‥‥‥
やっぱ‥‥ダメだったかぁ‥‥‥ まぁそうだよねぇ‥‥怖いよねぇ‥‥‥
皆様、どうぞお身体にはお気を付けて‥‥