どーも食い違う心
‥‥いや‥どうしてって‥‥‥
「‥そりゃあ会ったばかりの男が、玉のお肌に唇付けちゃったんですから‥‥‥ おまけに自分、こんな形ですし‥‥‥」
「‥‥‥‥助けて‥‥くれた‥‥」
「‥‥はい?」
「‥ギネッタ‥‥さん‥‥は‥‥助けて‥くれた‥‥‥」
そりゃ、蜂から顔を庇っていただいて刺されたのに、知らんぷりなんて出来ませんよ。
「‥‥嬉し‥かった‥‥ ありがとう‥って‥‥思った‥‥‥ のに‥‥‥‥謝ら‥‥れ‥た‥‥の‥は‥‥」
シヨルラさんの言葉が詰まった‥‥ そしてぎゅっと思い詰めた様な表情を浮かべてから、ポソリと‥‥‥
「‥‥‥‥悲しい‥‥」
‥‥‥‥グハッ‥‥! 血を吐いた‥‥心の中で‥‥‥
イヤだ嫌いだと言われるより‥‥遙かに堪える‥‥ 悲しいって‥‥‥
「‥‥‥え~と‥‥あの‥‥‥すいませんでした‥‥‥」
「‥‥私‥こそ‥‥‥ごめん‥‥なさい‥‥‥ 助けて‥‥くれた‥のに‥‥こんな‥‥‥言い方‥‥‥」
「いえいえそんな‥‥‥ あっそうだ、あの~~‥‥一つ気になってたことがあるんですけど‥‥」
「‥‥‥何‥‥?」
「さん付けしなくていいですよ?」
「‥‥‥何‥で?」
「いや、ただ言いにくそうだなぁ~って」
シヨルラさんは、何か考える様に視線を落とし‥それから再びこちらを見上げて、唇を震わせた。
「‥‥‥‥ネッタ‥‥‥」
「はい」
「‥‥‥ギネッタ‥‥」
「はい~」
「‥‥ギネッタ‥‥‥」
「アハハ。はい、ギネッタです」
「‥ギネッタ‥‥‥」
「‥あの~、シヨルラさん?」
「ギネッタ‥‥」
「えっと、そろそろ~~‥‥‥」
そんなに連呼されるとなんか恥ずかしいです‥‥
「‥‥‥じゃあ‥私も‥‥‥呼び捨てで‥‥いい‥‥‥」
「いやぁ、自分は敬語の方が言いやすいんでこのままで‥」
‥‥あれ!? 何かしょんぼりなされた!? 何で!??
「全くおぬしは‥‥」
え~~!!? 何か大きな盾の人も、呆れる様に呟いたよ!? 何で!??