明けの柳はハチに餓えておる
「‥ギネッタ‥さん!‥‥無理‥は‥‥ダメ!‥‥」
「そうだわい!何を言っとるんだおぬしは!!」
少し離れたところで蜂がワンワンと舞っていた!!!
集られると鬱陶しいので、皆さんと一緒に距離を取りつつ、
「大丈夫です!毛がジャマで針が届きませんから!」そのついでにお返事を!!
ぶっちゃけ、目と鼻先さえ気を付けてれば何の問題も無いもんで!!
「そ‥そうか‥‥」
何やら惑いを含んだ呟きが聞こえたけど!! それはそれとしてこちらは再び鎌を取り出し‥‥手近にあった握り易そうな太さの、柳みたいな木を‥‥思い切りよくぶった切る!!
使い易そうな長さに先を落として、枝を打ち‥‥ 両手で握ってヒュンと振れば‥うん、いい感じのしなり。
こいつを手に、再び巣のあるだろう方に近付けば‥‥ うん、ドンブリ蜂が一匹、まっすぐこっちに飛んできた。
蜂は縦の動きは速いけど、横は案外遅いので‥‥
「‥‥フン!!」
ベシッ!!!
縦に振り抜けば意外と当たる。
流石に巣を失敬する時は両手が塞がっちゃうので、こうやって一匹ずつ減らしていこうって魂胆。 ‥‥顔に集られるとヤなので‥‥‥
さ~て次が来た。剣道みたいな感じに構えて、打ち落とすタイミングを測っていると‥‥
‥‥バシュッ!!
‥‥後ろから飛んできた矢が蜂を射抜いた‥‥
振り向くとシヨルラさんがぐっと顔を顰め‥‥ もう次の矢を番えて引いていた。
左手に持った弓をかなり傾け‥ パンッと放たれた矢は、人差し指を撫でる様に弓の上を滑り‥‥
その軌跡を追えば、更に遠くにいた蜂をしっかり射抜いた‥‥
‥よく当てられるなぁ~あんな飛んでる的に‥‥ でも‥‥
「‥あの~大丈夫ですよー? 一人で何とかしますんでー」
‥‥なんかふるりと首を振られた。
「矢が傷んじゃいますよー? ホント大丈夫ですからー」
ブンブンブンと首を振られた。 もぉ~ホントいい人なんだからぁ‥‥
さて正面に向き直ると‥おっと今度は団体さんで突っ込んできた‥
大きく息を吸い込み‥‥そこへ目がけてアイスブレス!!! ファイアーブレスは森林火災が恐いから今回は封印!!
骨に染みそな冷気と共に、氷の礫をショットガンみたいにぶっぱなす!!!
バチバチバチッと音を立て、ドンブリ蜂はバタバタ落ちる!!
流石に止めを刺せてないのも多いけど、羽をやられたのが地べたでいっぱいもがいてる。よしっ、いい感じ!
ついでに飛んでるのも、冷気で動きが鈍ってる!! よ~しそいつらにも、ベッチンベッチン柳が唸る!!
おっと今度は真上の方から団体さんが。 まぁ鬱陶しくなったら、魔法障壁を上手く使いましょ。
さて、大きくのけ反りながら胸いっぱいに息を‥‥
バシャッ!!
‥‥後ろから水が飛んで来て、蜂にぶっ掛かった‥‥
水は小さな飛沫となって降って来て‥‥温かい‥‥‥
熱湯かぁ~~‥‥ そっか‥その手もあるよねマクファーソンさん‥‥でも‥‥
「ホント大丈夫ですからー‥お気遣いなくーー‥‥」
‥こんな事でお手を煩わせて‥申し訳ないったら‥‥