キマロキGo
バッサバッサと刈り入って、背丈の高い藪っきれやらヒョロい木やらを、纏めて遠くへポイ。
「‥‥木なんぞは一閃か‥‥」
お? 大きな盾の人が何やら‥
「流石オリハルコンの業物‥」
へ?? ‥‥‥あぁ‥そういえばそうかこの鎌‥‥ でも~‥‥
「あ‥いや~‥‥これ数物ですよ?」
「数!‥‥物‥‥‥ オリハルコンが‥‥数物‥‥」
頭痛そうな顔をなさった。
そんなこんなと刈り進めていると‥‥ お゛ぉ~‥流石に腰にきた‥‥
またぶん投げるついでに、伸びでもしましょと立ち上がると‥‥
‥シュルシュル‥パシッ
「ん?」
太い蔓が、右手に伸びて巻き付いた
「お、「ギネッタ‥!‥さん‥‥!」「クソッ!潜んでおったか!!」ラッキ~いいもんめっけ」
「「は!?」」「‥‥え‥?」「‥‥えっ??」
‥‥え~と‥まぁ‥ 一先ず皆さんの反応は置いといて、とりあえず蔓の方を片づけましょ。とりあえず、纏めた藪の刈り倒しを構えて‥‥
蔓はまだまだ飛んでくる。纏めたのを盾にしてぶつけると‥‥バシッと当たってワシッと絡み付く。そしてグイグイ引っ張り込もうとする。
そんな感じで数十本、だい~ぶ引っ張る力が強くなってきた‥‥ けど、次が来ないから、もう打ち止めかな?
手を離すと、バビュンバサバサと藪の中に引き込まれてゆく。さて、右手に絡んだ蔓を引き辿りながら分け入って行くと‥‥ホイッ、大元発見。木に纏わって上に伸び、がんじがらめにした藪っきれをガッチリ引き抱き、バキバキ締め上げてる。
さて右手の蔓を引き解き、藪っきれの方に押し付けてっと。
大元を‥‥両手で掴んで引っこ抜く!
ボゴゴ‥ブチブチ‥
ひげ根が切れる感触と共に、根っこの姿が露わになった。後は纏わった木の回りをグルグル回って巻き付きを解き、グイッと引きずり落とせば一丁上がり!
背負い篭を下ろして、絡み付いてる藪の塊ごとグルグル丸め、ねじ込んだ。
「‥か‥階層ボスを引っこ抜きおった‥‥」
「え?ボスなんですか?コレ?」
‥へぇ~そうなんだ知らんかったぁ‥‥ダンジョンが勝手に生み出す系のモンスターなのは知ってたけど‥‥ まぁ‥住み家から遠いからなぁ‥‥にしてもまさか、人間の方から教わるとは‥‥
しかしなるほど。道理で数が少ない訳だ~ 自分はてっきり‥‥
「ところで‥‥篭に詰めて、どうするのですか?」
「食べるんですよ。美味しいから」
乱獲のせいだと思ってた。