ラッセルらっせる
バッサバッサ‥‥
鎌を片手にバッサバッサ‥‥
「‥‥なんなんだこの状況は‥‥」
ん? 高そうな鎧の人がなんかおっしゃったような気が‥‥
───この階層に登ってすぐ‥‥ 松明を消して、ほぼ皆さんの表情が、それはもぉ~~見事に曇った。シヨルラさんだけはよく分からなかったけど。表情が薄い方なのかな?
登った所は開けていた。‥‥けど‥せいぜい半径十五メートル。そっから先は、もぉ~~鬱蒼とした見事な藪。おまけにヒョロッこい木もワチャワチャと‥‥‥
ダンジョンは自在に姿を変える。いつもはここまでモッサ~~っとしてないんだけどねぇ‥‥
特に鎧を着たお二人は輪をかけて曇って‥‥ そりゃあ~~そんな格好で分け入りたくはないわなぁ~~‥‥
という訳で鎌を‥‥‥
「き! 貴様やはり!!!」
‥‥‥何ぞ?‥‥
声のする方を向いてみると、高そうな鎧の人が剣を抜いて構えていた。
するとシヨルラさんが、素早く自分の前に走り込み、高そうな鎧の人に向かって弓を引き絞った。
続いて「あなたこんな貴重なサンプルを傷つける気ですか!!?」
‥‥‥気持ちは解りますけど‥ちょっとは隠しましょうよマクファーソンさん‥‥‥
彼と、コフランさんもまた割って入って、高そうな鎧の人に向き、手を突きかざした。
大きな盾の人はやや戸惑う素振りを見せた後、地面に盾の突き据え、こちらに構えた。シスターさんを庇う様に。
シスターさんはオロオロしていた。
そして自分もオロオロしていた。
「‥‥ところで、どっちに進みます?」
誰とはなしに聞いてみたら‥‥
「‥‥‥向こう‥‥」と、シヨルラさんが顎で指してくれた。両手が空いてないから。
「んじゃあ藪払いはお任せください」
「「‥‥は!??」」
「ん? 藪?? じゃなくて露払い??」まぁどっちでもいいんだけど‥‥
‥‥‥なんか解んないけど‥‥‥‥ 静寂が続いた‥‥‥
「そんなカッコじゃキツイでしょっ、頑張りますよ~~ じゃあサクサク行きましょ~~~」
なんか事態が転がりそ~にないから無理矢理ゴー!
すると剣吞な空気が、少し凪いだ気が。よかった~~~‥‥‥
───という訳で、バッサバッサ‥‥
かがんで、右手用の鎌を左手に持ち、右から左へ、体の外に薙ぎ払う。バッサバッサ