無色透明、光なし
「え? どうやってですか?」
「は?」
歩きながら教えて欲しい。と、マクファーソンさんは妙なことをおっしゃった。
「だって障壁って‥動かないですよね?‥」
「あぁなるほど。空間固定系なんですね」
‥ん?
「‥‥空間‥‥‥固定‥ですか??」
「要するに発動した空間に留まるタイプです。 集団での戦闘のときによく使う障壁ですね」
「‥‥と、おっしゃるということは‥やろうと思えば動かせるんですか?」
「個人ならそっちのほうが便利ですね」
「あ~なるほど~。すいません良かったら、後で教えてもらってもいいですか?」
「えぇ、それは
「じゃあじゃあじゃあコフランさん。異空間に収納する魔法を、どうぞ御教授お願いします」
‥‥あの‥ まぁいいんですけどね‥‥」
「あぁ‥はい‥‥ そうですね‥小石くらいから初めてみるのがよろしいかと
「はいっ」
「え?いや、ちょっ‥‥」
という訳で、ちょいと拾って掌でゴー!!
徐々に‥‥ 徐々に‥‥じょじょにジョジョに徐々に!小石が姿を消して行きますよこれが‥‥
「‥‥あの~~ すいません‥‥光とか色って‥‥ どうやって着ければ‥‥」
「‥むしろなんで透明なんですか‥‥?」
「‥すみません‥‥意識しての事ではないので、どうやればよいのかは‥」
「そぉなんですねぇ‥どうもすいません‥」
なんて会話をしていたら小石は‥‥ 音も無くスッキリ消えてなくなった。
「‥‥凄いですね‥一回で成功させるなんて‥‥」
「‥‥‥しかもいきなり移動しながらって!何で出来るんですか!??」
‥‥‥お? ‥‥‥なんかマクファーソンさんが、爛々とした目で尋ねて来た‥‥
「いや何でって聞かれても‥‥‥ あ~~そう言えば‥‥歩きながら怪我を治したりとか、しょっちゅうしてたんで‥そーいうの慣れてたのかも‥‥」
「いや!にしたって難易度が違うんですよ!!?」
「はぁ‥‥‥ あの~~‥そんなに難しいんですか?」
ちょいとコフランさんにお尋ねをば
「‥ええ‥‥ 総じて移動状況での術は難しいのですが‥‥これは法術より格段に‥」
「あっそうでした! 何で法術まで使えるんですか!?」
「あのぉ‥‥‥法術‥って?」
「怪我を治したアレですよ!」
‥‥‥へ?
「‥‥‥あれ魔法じゃないんですか?」
「違いますよ!」
「‥へぇ~‥‥‥どういう風‥に??」
「えっと!‥‥ それは‥教会側が秘匿しているので‥‥詳しいことはわからないんですよ‥‥」
あらま。じゃあシスターさんに聞けば何か‥‥‥ いや、やめとこ‥‥ また泣かせちゃったら、えらいこっちゃ‥‥‥
「それはまぁそれとして! そもそも異空間収納自体、使えない人が多いんですよ?一体どうやったんですか? 僕だってまだ取っ掛かりすら掴めてないのに」
‥‥取っ掛かり‥かぁ‥‥‥ 前世の、ケータイファイルのクラウド保存をイメージしたんだけど‥‥こりゃどうやって説明したもんか‥‥
「‥‥まったく‥本当に気が抜けてくるわい‥‥‥」
大きな盾の人が、何かポソリと呟いた。