ベヒーモス、沐浴す
‥‥ジャバジャバ‥ワシャワシャ‥‥ あぁ石鹸があればなぁ~‥‥
「まったく腰布一枚でおって、何をそんなに恥ずかしがっとったんだか‥‥」
「いや、そこが一番肝心なとこでは?」
「しかしおっきいですね~~‥‥」
「‥‥恥ずかしいんであんまりマジマジ見ないでください‥‥ 体並みの大きさだと思いますよ?‥‥」
結局こちらの意見を吞んでくれて、大きな盾の人と‥‥マクファーソンさんが付いて来た。
始めはコフランさんが来る流れだったけど、マクファーソンさんは頑として意見を譲らなかった‥‥
「別に一人でもよかったんですけどねぇ‥」
「おぬしの場合は監視の意味合いが強いわい。大人しく視られとけぃ」
「あっ、やっぱりそうでしたか」
「しかしベヒーモスって、皆さんそんなに腰が低いんですか?」
「イヤイヤイヤイヤ!!!自分だけが特殊ですよ!!?前世の記憶引きずってるから!!! 見つけても不用意に近づいちゃダメですよ!!?」
父親なんて殺す気満々だもん!!!
───なんて呑気にくっちゃべりながら、最後に腰布をジャブジャブ洗って、ヒートブレスで乾かして、再び腰に‥‥ よしっ!恥ずかしいとこは隠した!
「お待たせしました~」
「おう、じゃあ戻るか」
「なんでそんな早く乾いたんですか?」
およ、マクファーソンさんが話し掛けてきた。物怖じしないなぁ~~この方‥‥
「あっ、熱風のブレスを当ててたんで」
「ブレスは魔法とは違うのですか?」
「多分違うんじゃないかと~‥ ‥‥ところで魔法の定義ってそもそも何ですかね?」
「そうですね‥‥力の最小単位、ネクトを魔力に変換して、それで現象を起こす‥という風に解釈されてますね」
「へ~~そうなんですね~~‥‥
‥‥あっ、ひょっとして‥‥‥だからあれネクタルって呼ばれてたんかな‥‥?」
「はい‥‥? ネクタル‥ですって?」
「え?あっはい。湧いてるんですよ~ 妙な力がこもった湧き水が」
「‥‥‥次から次へと凄い名前が出てくるのぉ‥‥」
────‥‥こら!‥来るな!!来るなぁ!!!!
‥‥唐突に遠くから声が聞こえてきた‥‥ 確かあれは高そうな鎧の人の声?
と同時に、お二人が駆けだした。
「ケンカですかね?」
「んな訳あるかい!! モンスターだろうて!!!」
ごっつい鎧をホントに着込んでるの?ってくらいのスピードで走る盾の人 ‥まぁ流石に身軽なマクファーソンさんには距離を空けられつつあるけど。
そのお方から、何か不穏当なお言葉が。
「早く行け!!!盾役がおらん!!」
あれ!?結構切迫してる!?? 慌ててマクファーソンさんに声を掛けてらっしゃる!!
なので自分はぶっ飛んだ。全力疾走、声する方へ