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これを前世では虐待という
牛とライオンを合わせた様な顔立ちと角。
青紫の体毛。
二足歩行のでっかい体に尻尾。
そんな感じにそこそこ逞しく育った自分は今、崖っぷちに立たされていた。
比喩でなく、そのまんまの意味で‥‥
自分たちが住んでるダンジョンは、地下に潜って行く系の様で、今いる場所は、辺りはどこも岩肌ばっか。
崖下を見れば真っ暗闇‥‥
「よいか!!人間というものは、卑怯で!卑劣で!ずる賢い生き物なのだ!!!」
‥‥父上、その三つは殆ど同じ意味では‥‥
と思ったけど、言ったらぶん殴られるだろうから黙ってた。
「そんな奴らに勝つためには何が必要だ!言ってみろ!!!」
「‥‥‥‥知恵ですか?」
「違~~う!!!!力だパワーだ強さだ~~~!!!!!」
‥‥‥はいはい。
「貴様!!そんな考えでは一人の人間も殺せんぞ!!!」
「‥‥あの父上、やっぱり私、人間を殺すのは気が進まな」
「黙れ~~!!!!その惰弱な根性たたき直してこ~~い!!!!」
そうして父のインパクトボイスでぶっ飛ばされ、崖を転がり落ちてゆく‥‥
‥‥‥もうヤダ、こんな生活‥‥‥