目的の途中の目的は選ばない
「‥‥は‥‥‥‥な‥‥なに‥‥何を‥‥」
高そうな鎧の人がおどつく中、
「えっと、ギネッタさんでしたよね? 僕はマクファーソンといいます」
「あっはい、どうも‥‥」
「塩を買ったらどうするつもりなんですか?」
「え~っとそうですね‥急いで潜ってタウロスさん達にお届けします‥‥」
ミステリアスさん‥‥え~っとマクファーソンさんは、振り返って
「じゃあ、いいじゃないですか」
そうおっしゃった‥結構ぶっ飛んでるなこの人‥‥
「‥‥は?‥嘘に決まってるだろうが!! あんな追い回しても逃げるだけのタウロスなんぞにベヒーモスが
「いや可哀想だから止めたげてくださいよ。いい人達なんですよ、タウロスさん達‥‥
というかベヒーモス並みに強いですよ? ケルベロス三頭を一人で始末できる人たちですから」
「は?‥‥」
「さ‥三頭‥‥‥」
「背後を取られなきゃ六~七頭は軽いって言ってましたよ?」
「‥‥そ!‥‥そんな強いモンスターが浅いところに
「深い所にゃ草が生えて無いんですよ! そっちの牛さんは肉食ですか!?」
「‥に‥‥逃げ回るモンスターが強い訳‥
「住むとこ荒されなきゃ基本怒んないですよあの人たち‥‥」
‥‥予想外だったのかなぁ‥なんか静寂が支配した。
「‥‥で‥‥‥どうなんでしょ? 上行っちゃまずいですかね?」
「‥あ‥‥当たり前だ!!!」
‥やっぱそうなるかぁ
「‥んむう‥‥しかしのぉ‥‥」
と思ったら大きな盾の人が、拳の人差し指を眉根に当て、悩み抜いた様な重い声で、言葉を遮った。
「は!?あんた軍人だろ!!」
「考えてみぃ‥‥儂らは何をしにここに来た?」
「ベヒーモスの目的証言の確認だろ!!」
「あぁ‥でだ、報告したとして‥‥誰が信じる?こんなベヒーモス‥‥ 儂なら虚偽としか思わんぞ‥‥」
「う゛‥‥」
「‥なるほど確かに‥‥良くて嘲笑‥悪くて投獄といったところか」
‥‥コフランさんが、なんかもの凄いことをボソリと仰った。
「どうもすいません、御心労お掛けしまして」
「‥‥いえ、誤らなくても‥‥‥貴方が悪い訳ではないのですから‥‥」
「あの~~コフランさん、敬語使わなくていいですよ?」
「は??」
コフランさんは見たところ、この中で二番目に年長者。四十くらいかな?
「多分‥前世の父と同じくらいのお歳なので‥‥そんな方に敬語を使われるのはなんか、居住まいが悪いと申しますか‥‥」
「はぁ‥‥あ、いえしかし‥‥」
「あのぉ‥じゃまぁ‥おいおいお願いします‥‥」
「‥‥はぁ‥‥」
「‥‥‥まったく‥‥悩んでるのが馬鹿らしくなってきたわい‥‥ とにかくっ、此奴は上に連れて行く。おぬしらそれでいいな!」
一番年長に見える大きな盾の人の、鶴の一声によって、何となく方針が、決まったっぽかった。
‥‥そしてシスターさんは相変わらず、この世の終わりみたいな顔をしていた‥‥
ホントすいません怖がらせちゃってて‥‥‥