積み木の言葉
「‥‥い‥いや!ベヒーモスが罠の矢ぐらいで怪我をしないだろ!」
‥‥うん、まぁそうだね‥ よっぽど当たる向きが悪くなきゃ‥ ベヒーモスの皮膚ってエラく固いし、
生えてるお毛々‥‥コレがまたケブラー繊維みたいにタフなんだもん‥‥長いとこを編んだら防弾チョッキ出来るよ多分‥‥
「ではさっきの掌の怪我は何なんだ?」
‥‥そりゃ~自分の‥‥ベヒーモスの爪だからですよ‥‥ 動転してたからヘンな力も入っちゃったし‥‥
まぁ言わないけどね? せっかく庇ってくれてるのに。
「大体騙すにしても何故罠なんだ? いつ消えるかわからない不確定なものを。」
「‥それは‥‥‥ ‥そうだ!!たまたま絶好の機会に出会
「ならば最初に話し掛けてきたのは何だ?」
「‥お、俺たちをパニックにして罠に
「あの柔らかい口調でか?」
「‥‥それが作戦
「何の目的で?」
「そうだ塩だ!こいつは俺たちから塩を騙し取るために
「それを殺して奪おうとしなかった理由は何だ?こちらは逃げるのが前提の頭数だぞ?」
‥‥ベヒーモスって、そんな野蛮に見られてたのかぁ‥‥ まぁ父親を見てりゃあ想像も出来たけど‥‥
「‥‥つ‥次あった時も塩を‥‥
「それはもう敵意か?」
‥‥凄い追い詰め方するなぁ‥‥
「‥‥塩‥無いの‥‥?」
バチバチ口撃が続くさなか、不意に弓の方‥‥え~っとシヨルラさんが話し掛けてきた。
「そーなんですよー。岩塩は出るんですけどね?レッドオーガの縄張りのど真ん中なもんで、独占されちゃってて‥‥」
「‥‥‥」
「あっそうだ。あの~、ところで塩って‥‥そちらでは高いですか?」
「‥‥ううん‥‥そこまで高くは‥‥ない‥‥ 今度来た時‥‥持って来る‥‥」
「‥‥へ?」
「‥‥あげる‥‥」
「え!いいんですか!! いやでもそんな‥‥」
「‥大丈夫‥‥お礼‥‥」
「いや~‥でもただ貰うって訳には‥‥‥
‥‥そうだ、大したもんじゃないですけど、こういうのと交換っていうのは
「おまえら!何を他人事みたい‥‥に‥‥」
言葉に詰まった高そうな鎧の人が、こっちに舌鋒を向けてきた‥‥
と思ったら、急に萎んだ。
「‥‥は?‥そんな‥‥あり得ない‥‥‥」
「オ‥‥オリハルコン‥‥」
「他も見てみい‥‥ミスリル銀まで有るぞぃ‥‥‥」
‥‥何?その反応‥‥
「‥‥あの~‥コレってそんな珍しいんですか?」
シヨルラさんにお訊ねすると
「‥‥うん‥‥すごく高い‥‥」
「そうなんですか?こんな純度のならゴロゴロありますよ?」