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異世界の現実  作者: ワタワタ777
4/9

戦闘

小説書くのって大変ですね。

それでも一人でも見てくださってると思うとやめられない止まらないです。

ミスニアはかなり焦った様子でこちらに何かを言おうとしているが、なかなか口の中に入った焼肉を飲み込めず、咳き込んでいる。


『お、落ち着いて、ミスニアさん。そんな焦んなくても……』


それを聞いたミスニアは、落ち着いて、焼肉を飲み込んだ。そして、少しの間呼吸を整えると、こちらを向いて、笑顔で言った。


『ここを経営している人の息子さんだったのですね。でも、ごめんなさい。ここで会うとは思ってもいなくて、お礼を用意できていないのです……。』


『お礼なんて、いいよ。兵士として当たり前のことをしただけなんだからさ。』


その会話を盗み聞きしていたのか、母親が会話に入ってくる。


『あら、美人さんじゃない。やっぱり人気はすごいわね。期待の新人くん! ナンパでもしたの?』


『ちがうよ、母さん。』


『今日の昼ごろ、盗賊に追われているところをジフさんに助けられたのです。』


『あらー、ジフ! あなたはやっぱり勇敢な子ね!』


『いよっ!期待の新人ー!!!』


後ろで野次を飛ばしてくるのはノツァだ。酔っ払ったオッサンみたいなことを言ってる。


『それよりもミスニアちゃん。うちの酒場は兵士や冒険者とか、力自慢が集まるところなのに、女性一人で来るって、やっぱりジフがここに来るってわかってたんじゃないの?』


『違いますよ! 実は私も冒険者なのです。でも、今は魔法師団に入って、魔法使いになるために王都にやってきました。』


『あら、そうなの? どこから来たの?』


『ソソナ村からです。』


『えっ。最近、ジヴニークが目撃された村じゃない!』


『えっ、そうなのですか!?』


ジフがここぞとばかり(そんないいタイミングってわけでもないが。)に話に割り込む。


『多分、そのせいで君も盗賊に襲われたんだよ。やっぱり、ジヴニークの盗賊軍団が近くにいるのは間違いなさそうだね。』


『そんなに大きな人物が関わっていたとは……。ますます助けていただいたことに感謝です!!』


『でもよ、もしジフが倒したのがジヴニークの部下だったら、お前、復讐にあうんじゃないのか?』


『そうか? 一人で行動してたからちがうとは思うけど。』


『なんにしてもお礼したいです!! 明日、そちらに向かいますね。今日はもう夜が更けてきているので、私は帰ります。ジフさん。また明日!!』


急に笑顔で手を振られたことで完全にハートを射抜かれたジフは、固まって何も言い返せなかった。それを見たジフの母はめっちゃにやけてた。ノツァは野次を飛ばしまくってた。



ジフはベッドの上で寝る前に考え事をしていた。もちろんミスニアのことだ。ジヴニークと会うかもしれない日だったのに、気がつけば将来、結婚してもいいくらいの美人に出会った日になっていた。こんな運命みたいな出会い方、あるだろうか。ジフは明日が待ち遠しくて、ワクワクして、寝付けなかった。しかし、兵士の仕事に寝坊なんてしたら大変なことになる。心を落ち着かせて、寝よう。明日はとても楽しい日になりそうだ。



とても激しい物音が聞こえる。なんだろうか。しかし、その音は遠くで聞こえるだけで、近づいてくるわけでもないし、兵士を呼ぶときになる鐘の音が鳴らないなら、何かの事故だろう。



朝起きたとき、酒場はなぜか賑わっていた。夜でもないのになぜ? 来ている人達を見ると、酒を注文してるわけでもなく、ただ何かを配ったり、それを見て話し合ったり、歓喜の声を上げている。朝食をとるついでに、母親に聞いてみた。


『昨日の夜、ジヴニークがこの国の正門付近に近づいてきたらしいのよ! そして、その場にいた兵士たちと兵長がみんなで立ち向かったけど、全員、返り討ちにされてしまって、兵士達を全員集めようとしたときに、勇者様が現れて、ジヴニークを追い払ったの!!』


勇者? そんな称号持っている人なんて居たっけ。


『その若い青年に新しくつけられたのよ! 勇者ってね。その勇者様が今、この王都に滞在していて、みんな大騒ぎよ! 夜にもしかしたらここに来てくれるかもね!』


若者。おそらく年下なのだろう。参ったな。ジヴニークが想像できないくらいの強さを持ってるのに、それを追い払ったのか。一体どんな人なのだろうか。ジヴニークみたいに大きいのか?


また何か。突っかかるな。……なんでだ? そもそも何に突っかかっているのだろうか。


『ジフ、あんたの考えてることわかるわよー。勇者様がどんな人か知りたいんでしょ。聞いたところによると、175センチほどのイケメンらしいわよ!』


175センチ!? それはすごいわ。ますますどんな人か気になる。



今日の見張りは人数が多かった。いつもの3倍くらいはいる。訓練兵からも数名、出ているらしい。その中に、ノツァがいた。しかも、見張る担当の場所がめちゃくちゃ近い。


『今度はジヴニークを超えるイケメンだってよ! 想像できねぇよな! どんくらい強いのかな……。 これもうわかんねぇな!!』


『世界は広いっていう言葉、よくわかったわ。それにしても勇者か。いい名前だな……。』


さっきからまた何かに突っかかっている。本当になんだこれ。病気かな? 僧侶に診てもらった方がいいかな……。


『あの……ジフさん?』


この声は…ミスニアだ!!

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