不安
初めて感想もらいました。感激。
『ぐぁぁぁぁ!!』
『どうした!? その程度か!?』
『いや、これ以上やられたら怪我しますよ!?』
『ああ、すまん。つい熱くなってしまったわ。』
教官との訓練で、吹き飛ばされてしまったジフ。やはり教官は強い。しかし、吹き飛ばされたのに怪我してないジフも普通の人から見たら十分に強い。
教官にしごいてもらったジフは汗だらけですごい疲れていた。それにもうそろそろ晩御飯の時間。訓練兵士たちも家に帰る。
『ガナデさん、今日もありがとうございました!明日もきます!』
『ああ。日に日に強くなっているからな。自信持てよ!』
『はい!!』
『ああそうだ、伝えたいことがあったんだ。』
『なんでしょうか?』
『ジヴニーク、という名前は聞いたことがあるだろう。そいつらが最近、近くの村で目撃されたという噂が流れてきているのだ。明日の国の見張りは、気をつけてな。』
『わかりました!』
そういうことだったのか。ジヴニークが近くの村に。ジヴニークはそもそも盗賊なためか、どこで生まれてどこで育って、親が誰なのかとかよくわかっていない。俺もジヴニークに興味なんかあまりないから、めっちゃでかくて強い野蛮な人ってことくらいしか知らない。
家に帰ったら、もうノツァがいた。
『やっぱここの肉はうめぇよ。』
『お前、速いな。』
『それくらい腹減ってたんだよ!』
ジフも焼肉を頼む。といっても、彼の家が経営しているからお金払わなくてもいい。
『さっき教官からジヴニークについてのことを聞いたんだけどさ。』
『お前も聞いたか!? 近くの村にいるかもって話!』
『聞いたよ。明日は気をつけないとな。』
『でもよ!お前、多分ジヴニークのこと深く知らないだろ!?俺が教えてやんよ!』
ノツァは結構情報を集めるのがうまい。うまいというか、なんて言えばいいかわからないが、情報通だ。
『ジヴニークはな、俺らより年下なんだよ!』
『え、本当かよ!?』
『本当だ! そのくせして軍隊を相手に一人でも引かないほど、しぶといらしい。』
『年下にそんなのがいるのか……。』
『まだまだあるぞ! あいつの身長は220センチくらいあるらしい!』
『大男って聞いた割にはそんな感じなんだな……。』
『そうか? 十分でかいと思うぞ。さらに! あいつは魔法らしき技を使ってくるらしい!』
『えええ……』
ノツァはまだこれでも序の口だというらしいが、すでにもうおかしいと思う。年下で軍隊を相手にできる強さをもっていて220センチあって魔法も使える。何者なんだよジヴニーク……。
『で、ジヴニークのことを俺に教えて、何になるってんだよ。』
『そうだなぁ、まずお前一人じゃ絶対に勝てないと思う!』
『だろうな。』
『だから、もし明日会ったら人が集まるまでは逃げろ!!』
『そんな無責任なことできるかよ……』
『いやマジでそうしねぇとお前死ぬぞ!? おっちぬぞ!?』
『わかったよ。退くよ。』
たしかにジヴニークには勝てる気はしない。明日会うかもしれないのか…。
おまけにノツァはこう言った次の日は絶対にお前はジヴニークと会うぞ! とか言っていた。
物語ではそういうのが決まってる! とかも言っていた。そういうものなのか?
何にせよ、気をつけておくには越したことはない。それに、この噂が流れているなら、明日は通常より多い兵士が見張るとか、何か策を練ってくれるに違いない。
それよりも、なんでジヴニークは盗賊なんてやってるのだろうか。そんなに強いなら国の兵士になれば、すぐにでも兵長、いや、もしかしたら軍隊長にもなれるかもしれないのに。
まぁ、今更兵士になると言って、国に来ても捕まるだろうから、どうでもいいか。
ノツァはあの後、腹一杯になって帰っていった。その後も酒場は相変わらず盛り上がった後、閉店。そろそろ寝るか。
明日は無事に終えれたらいいな。
そう思ってジフは寝た。




