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4章-09 炎上
ナオヤ「せっかくだし、演劇館寄ってかない?」
パギー「いいね」
アヌビス「気に入ったのか?」
ナオヤ「ああ」
サヤ「珍しいね、他人をほめるの」
ナオヤ「いいものはいいって言ってあげないとな」
しかし、
中央演劇館は、炎に包まれていた。
パギー「な、何が起こってるの!?」
「大変です!ライチが演劇館を潰そうとしているんです」
アヌビス「ライチ……!」
パギー「ライチって?」
アヌビス「暴力団のトップだよ」
ナオヤ「あの弁護士が言ってたヤツのことか?」
アヌビス「そうだ。この町で一番手の付けられない女だ。
自分の気に入らないものは
どんな手を使っても、すべてかたっぱしから潰していく…」
そう言っている間にも、何かが投げ込まれる音がして、
投げ込まれた場所から激しい炎があがる。
サヤ「火炎瓶!?」
パギー「さ、最低、危ないよ」
ナオヤ「そのライチって奴に、会いに行く」
レック「お、おい…!」
パギー「なんで…!」
ナオヤ「興味があるんだよ」
最低さん。
縄張りの問題よ。
そんな人間は一人で十分。




